【初心者向け完全ガイド】Blenderキャラクターモデリングの始め方から完成まで全手順を解説

全身超合金姿の戦隊戦士が屋上から都会を見下ろしている

「Blenderで自分だけのキャラクターを作ってみたいけど、なんだか難しそう…」なんて思っていませんか?実は、Blenderのキャラクターモデリングは、正しい手順さえ分かれば初心者でもちゃんと挑戦できるんです。この記事を読めば、ソフトの準備から顔や体の作り方、そして完成後の色塗りや動かすための準備まで、キャラクター制作の全手順がまるっと分かります。専門的な知識がなくても大丈夫。さあ、この記事をガイドに、あなたも3Dキャラクターモデリングの第一歩を迷わず踏み出してみましょう!

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目次

Blenderのキャラクターモデリングは初心者でも挑戦できる

「自分のオリジナルキャラクターを3Dで動かしてみたい」「好きなアニメやゲームのキャラを作ってみたい」そんな風に思ったことはありませんか。3Dのキャラクターモデリングと聞くと、なんだか専門的で難しそう、特別な才能や高価なソフトが必要なんじゃないか、と感じるかもしれません。でも、安心してください。Blenderを使えば、専門知識のない初心者の方でも本格的なキャラクターモデリングに挑戦できます。

Blenderは、プロの現場でも使われているほど高機能なのに、なんと完全無料で利用できる驚きの3DCGソフトです。つまり、初期投資ゼロで、誰でも気軽にキャラクター作りの世界に足を踏み入れることができるんです。もちろん、最初は覚えることもありますが、一つ一つの操作は決して複雑ではありません。この記事のガイドに沿って手順通りに進めていけば、あなただけのかわいい、あるいはかっこいいキャラクターをきっと完成させられますよ。

Blenderのキャラクターモデリングが初心者におすすめな理由は、主に3つあります。

  • 理由1:完全無料で始められる
    プロ仕様の機能を持ちながら、ソフトの利用料は一切かかりません。PCさえあれば、コストを気にせず今すぐ始められます。
  • 理由2:世界中に豊富な学習教材がある
    Blenderは世界中で人気があるため、インターネット上にはチュートリアル動画や解説サイト、コミュニティがたくさんあります。わからないことがあっても、検索すれば大抵の答えが見つかるので安心です。
  • 理由3:簡単なモデルからステップアップできる
    いきなり複雑なモデルを目指す必要はありません。まずは簡単なデフォルメキャラクター(ローポリモデル)から始めて、少しずつ作り込みの技術を学んでいくことができます。

実際にBlenderで作れるキャラクターの種類はとても幅広く、あなたの目標に合わせて様々なスタイルのモデルを作成可能です。具体的にどんなものが作れるのか、下の表で見てみましょう。

アニメ調モデル:VTuberアバター、アニメーション作品、ファンアート
モデルのスタイル特徴主な用途
ローポリモデル少ないポリゴン(面)で構成された、カクカクとしたデフォルメ調のキャラクター。短時間で作成しやすいのが魅力です。モバイルゲーム、インディーゲーム、シンプルなアニメーション
アニメ調モデル日本のセルルックアニメのような見た目のキャラクター。トゥーンシェーダーという機能を使って、イラストのような質感を表現します。VTuberアバター、アニメーション作品、ファンアート
リアル系モデル写真のようにリアルな人間やクリーチャーのモデル。作り込みが多く難易度は高いですが、非常に高いクオリティを目指せます。映画・映像作品、リアルな表現のゲーム、デジタルアート

このように、Blender一つで様々なスタイルのキャラクターを生み出せます。このガイドでは、初心者がつまずきやすいポイントを丁寧に解説しながら、キャラクターが完成するまでの全手順を網羅しています。まずは「自分にもできるかも」という気持ちで、一緒にキャラクターモデリングの第一歩を踏み出しましょう!

ローポリモデル:モバイルゲーム、インディーゲーム、シンプルなアニメーション

Blenderキャラクターモデリングを始める前の準備

キャラクターモデリングって、なんだか専門的で難しそうに聞こえるかもしれません。でも大丈夫、しっかり準備をすれば、初心者の方でもちゃんと始められますよ。ここでは、モデリングをスタートする前に必要なPCのスペックや、Blenderのインストール方法、あると便利な道具について、分かりやすく解説していきます。まずはここをクリアして、安心してモデリングの世界に飛び込みましょう!

必要なPCスペックの目安

「自分のパソコンでBlenderは動くのかな?」と心配な方もいるかもしれませんね。実は、Blenderはプロ向けのソフトでありながら、比較的軽い動作でも知られています。まずは公式サイトが公表しているスペックを確認してみましょう。キャラクターモデリングをどこまで快適に行いたいかに合わせて、3つのレベルで目安をまとめてみました。

特にGPU(グラフィックボード)は、3Dビューポートでの表示を滑らかにしたり、最終的な画像の書き出し(レンダリング)時間を短縮したりするのにとても重要です。もしこれからPCの購入や買い替えを検討しているなら、GPU性能を少し意識してみると、後々の作業がぐっと快適になりますよ。

レベルCPUメモリ(RAM)GPU(グラフィックボード)こんな人におすすめ
最低限4コア / SSE4.2対応8GB2GB VRAM / OpenGL 4.3対応まずはBlenderを触ってみたい、簡単なローポリモデルを作ってみたい方
快適(推奨)6コア以上16GB8GB VRAM (NVIDIA GeForce RTXシリーズなど)キャラクターモデリングからテクスチャ作成、簡単なアニメーションまで楽しみたい方
本格的8コア以上32GB以上12GB以上のVRAM (NVIDIA GeForce RTX 4070以上など)高精細なモデル作成や、本格的なレンダリング、映像制作まで視野に入れている方

ノートパソコンでも、最近のゲーミングノートPCなら推奨スペックを満たすモデルがたくさんあります。場所を選ばずに作業したい方は、そちらも選択肢に入れてみてくださいね。

おっちゃん

Blenderのインストール前にBlender Launcherの導入検討した方が良いと思いますよ?

下記の記事を読んで採用すれば、次の「Blenderのダウンロードとインストール方法」の作業は必要ありません。

Blenderのダウンロードとインストール方法

Blenderのすごいところは、これだけの高機能ソフトでありながら、なんと完全に無料で使えることです。学生さんでもお小遣いを気にせず始められるのは、うれしいポイントですね。ダウンロードとインストールは、数ステップで簡単に完了します。

  1. Blender公式サイトにアクセス
    まずは検索エンジンで「Blender」と検索して、公式サイトを開きます。


  2. ダウンロードページへ
    トップページに目立つようにある「Download Blender」のボタンをクリックします。


  3. インストーラーをダウンロード
    お使いのPCのOS(Windows, Mac, Linux)に合った最新版が自動で選ばれているはずです。そのままダウンロードボタンを押しましょう。もし、少し前のバージョンで安定性を重視したい場合は、「長期サポート(LTS)版」を選ぶのも良い選択です。


  4. インストールを実行
    ダウンロードしたファイル(Windowsなら.msiファイル)をダブルクリックしてインストーラーを起動します。


  5. 画面の指示に従う
    あとは「Next」や「Install」といったボタンを押して、画面の指示通りに進めればインストールは完了です。特に難しい設定はありませんよ。


インストールが終わって初めてBlenderを起動すると、言語設定の画面が出てきます。ここで「Japanese (日本語)」を選べば、メニューなどが日本語表示になるので、初心者の方でも安心して操作を始められます。

あると便利な周辺機器(マウス・ペンタブレット)

BlenderはPCだけで操作できますが、もっと快適に、そして直感的にモデリングを楽しむために、ぜひ揃えておきたい周辺機器があります。

3ボタンマウスとテンキー

Blenderの操作は、中央のホイールボタンがクリックできる「3ボタンマウス」があることを前提に作られています。視点の回転や移動など、最もよく使う操作にホイールクリックが割り当てられているため、これはぜひ用意してください。普段使っているマウスにホイールクリック機能があれば、それで大丈夫です。

また、キーボードの右側にある「テンキー」も、視点を正面・上・横などに一瞬で切り替えるのにとても便利です。ノートPCなどでテンキーがない場合は、Blenderの設定でキーボード上部の数字キーで代用する「テンキーを模倣」という機能もあるので安心してくださいね。

ペンタブレット(板タブ・液タブ)

ペンタブレット(ペンタブ)は必須ではありませんが、キャラクターの顔や服のシワなど、有機的で滑らかな曲線を作るときに大活躍します。特に、粘土をこねるようにモデリングする「スカルプトモード」や、モデルに直接色を塗る「テクスチャペイント」では、マウスよりもずっと直感的に作業ができます。

種類特徴メリットデメリット
板タブレット(板タブ)手元の板の上でペンを動かすと、PCモニター上のカーソルが動くタイプ。比較的安価で手に入れやすい。省スペース。手元と画面が離れているため、慣れが必要。
液晶タブレット(液タブ)液晶モニターに直接ペンで描き込めるタイプ。紙に描くような直感的な操作が可能。高価なモデルが多い。設置スペースが必要。

これからキャラクターモデリングを本格的に楽しみたいなら、まずは手頃な価格の板タブから試してみるのがおすすめです。Wacom(ワコム)やXPPen(エックスピーペン)といったメーカーから、初心者向けのモデルがたくさん出ていますよ。

これだけは覚えたい Blenderの基本操作

キャラクターモデリングをスムーズに進めるには、まずBlenderの基本的な使い方をマスターすることが大切です。最初は覚えることが多くて大変に感じるかもしれませんが、ここをしっかり押さえておけば、後の作業がぐっと楽になりますよ。焦らず一つずつ、自分のペースで試しながら覚えていきましょう。

Blenderの画面構成と基本用語

Blenderを起動すると、いくつかのウィンドウに分かれた画面が表示されます。キャラクターモデリングでは主に以下のエリアを使いますので、それぞれの名前と役割をなんとなく覚えておきましょう。

  • 3Dビューポート: 画面中央の最も大きなウィンドウです。キャラクターや背景など、3Dオブジェクトを実際に見て、形を作っていくメインの作業スペースになります。
  • アウトライナー: 右上にあり、シーン内にある全てのオブジェクト(モデル、カメラ、ライトなど)がリストで表示されます。複雑なモデルを作る際、特定のパーツを選んだり、表示・非表示を切り替えたりするのに便利です。
  • プロパティエディター: 右下にある、たくさんのアイコンが並んだウィンドウです。選択したオブジェクトの色や質感を変えたり、モデルの形状を細かく調整したりと、様々な設定をここで行います。
  • タイムライン: 画面下部にある、アニメーションを作る際に使うウィンドウです。モデリングの段階ではあまり使いませんが、こういうエリアもあるんだな、と覚えておくと良いでしょう。

視点操作の基本(回転・パン・ズーム)

3Dモデルは、いろいろな角度から見ながら形を整えていく必要があります。そのため、視点を自由自在に動かす操作は絶対にマスターしておきたい基本中の基本です。特にマウスの真ん中にあるホイールボタンが大活躍します。

主な視点操作は次の通りです。まずはデフォルトで表示されているキューブを使い、ぐるぐる色々な角度から眺めて練習してみてください。

操作内容マウスでの操作方法備考
回転(オービット)マウスのホイール(中ボタン)を押しながらドラッグオブジェクトの周りを回り込むように視点を動かせます。
パン(視点移動)Shiftキー + マウスのホイール(中ボタン)を押しながらドラッグ視点を上下左右に平行移動させます。
ズームマウスのホイールを回転させる視点を近づけたり遠ざけたりします。より細かく調整したい場合はCtrlキー + 中ボタンドラッグでも可能です。

ノートパソコンなどでテンキー(キーボード右側の数字キー)がある場合は、テンキーを使うと正面(1)、右面(3)、上面(7)といった決まった角度に一瞬で切り替えられて便利ですよ。

オブジェクトの基本操作(移動・回転・拡大縮小)

視点だけでなく、オブジェクトそのものを動かす操作もモデリングの基本です。Blenderでは、この「移動」「回転」「拡大縮小」をまとめて「トランスフォーム」と呼びます。ショートカットキー「G」「R」「S」は本当によく使うので、指が自然に動くくらい覚えてしまうのがおすすめです。

操作内容ショートカットキー操作方法とポイント
移動Gキー (Grab)オブジェクトを選択してGキーを押し、マウスを動かすと移動できます。続けてX, Y, Zのいずれかのキーを押すと、その軸方向にだけ動かすことができます。
回転Rキー (Rotate)Rキーを押してマウスを動かすと回転します。これもX, Y, Zキーで回転軸を指定できます。
拡大縮小Sキー (Scale)Sキーを押してマウスを動かすと大きさを変えられます。これもX, Y, Zキーで特定の方向にだけ拡大・縮小できます。

これらの操作は、左クリックで決定、右クリック(またはEscキー)でキャンセルできます。まずはキューブで、移動させたり、回転させたり、大きくしたり小さくしたりして、感覚を掴んでみてください。

キャラクターモデリングでよく使うショートカットキー

Blenderの作業効率は、ショートカットキーをどれだけ知っているかで大きく変わってきます。ここでは、数あるショートカットの中でも、特にキャラクターモデリングで頻繁に使うものを厳選して紹介します。すべてを一度に暗記する必要はありません。作業しながら「この操作、もっと楽にできないかな?」と思った時に見返してみてください。

モードの切り替え

オブジェクト全体を扱う「オブジェクトモード」と、頂点や辺、面を編集する「編集モード」をスムーズに行き来することが、モデリングの第一歩です。

ショートカットキー操作内容
Tabキーオブジェクトモードと編集モードを切り替える
1キー (編集モード中)頂点選択モードに切り替える
2キー (編集モード中)辺選択モードに切り替える
3キー (編集モード中)面選択モードに切り替える

編集モードでの主なモデリング操作

実際にキャラクターの形を作っていく上で、核となる操作のショートカットキーです。

ショートカットキー操作内容簡単な説明
Eキー押し出し (Extrude)選択した面や辺を押し出して、新しい面を作ります。腕や足などを伸ばしていく時に多用します。
Ctrl + Rループカット (Loop Cut)モデルをぐるりと一周するように辺を追加します。関節部分など、より細かく造形したい箇所で使います。
Iキー面の差し込み (Inset)選択した面の内側に、一回り小さい面を挿入します。目のくぼみやディテール作成に便利です。
Mキー頂点の結合 (Merge)複数の頂点を一つにまとめます。モデルの先端を尖らせたい時などに使います。
Ctrl + Bベベル (Bevel)角ばった辺を丸めたり、面取りをしたりします。機械的なパーツや硬いものの表現に役立ちます。

実践 Blenderキャラクターモデリングの全手順

ここからは、いよいよBlenderを使ってキャラクターを形にしていく具体的な手順を、6つのステップに分けて解説していきます。一つひとつの工程を丁寧に進めていけば、初心者の方でも魅力的なキャラクターを生み出せますよ。一緒に頑張りましょう!

手順1 下絵(三面図)を準備して配置する

モデリングを始める前に、設計図となる「下絵」を準備するのがおすすめです。特に、キャラクターの正面・側面・(必要であれば)背面を描いた「三面図」があると、全体のバランスが格段に取りやすくなり、手戻りが少なくなります。自分で描くのが難しい場合は、フリー素材を探してみるのも良い方法です。

下絵が準備できたら、Blenderの作業画面に配置します。3Dビューポートで「追加」メニューから「画像」→「参照」を選び、用意した画像ファイルを読み込みましょう。正面図は正面のビュー(テンキーの「1」)で、側面図は側面のビュー(テンキーの「3」)でそれぞれ配置するのがポイントです。配置した下絵は、プロパティパネルで透明度を調整したり、選択できないように設定したりすると作業がしやすくなりますよ。

手順2 顔のモデリングから始める

キャラクターの命ともいえる「顔」からモデリングを始めると、モチベーションを保ちやすいのでおすすめです。愛着のあるキャラクターの顔が少しずつ出来上がっていくのは、とても楽しい工程です。

まずは基本的な形を作る

顔のモデリングは、立方体やUV球といったシンプルなオブジェクトから始めます。「編集モード」に切り替えて、頂点や辺を移動させながら、下絵に合わせて大まかな輪郭やアゴのラインを整えていきましょう。この段階では、まだ細かい部分は気にせず、シルエットを捉えることに集中してください。

このとき、「ミラーモディファイア」を使うと、片側を作るだけで反対側も自動で作成されるので、作業時間を大幅に短縮できます。必ず設定しておきたい、とても便利な機能です。

目・鼻・口の作り込み

大まかな形ができたら、次は目・鼻・口などのパーツを作り込んでいきます。「ループカット」という機能でポリゴン(面)を分割し、パーツを作るための頂点を増やしていきましょう。目の部分は少しくぼませて眼球となる球体オブジェクトを配置したり、鼻は頂点を引き出して高さをつけたりします。

ここで意識したいのが、「ポリゴンの流れ(トポロジー)」です。特に目や口の周りは、パーツを囲むようにポリゴンが流れていると、後で表情をつけたときに自然な動きを表現しやすくなります。最初は難しいかもしれませんが、上手な人のモデルを参考にしながら、きれいなポリゴンの流れを目指してみましょう。

手順3 髪の毛をモデリングする

髪の毛はキャラクターの印象を大きく左右する重要なパーツです。Blenderではいくつかの作成方法がありますが、ここでは代表的な2つの方法を紹介します。

カーブを使った簡単な作成方法

初心者の方に特におすすめなのが、「カーブ」オブジェクトを使う方法です。まず「ベジェカーブ」を追加して髪の毛一本の流れを作り、そのカーブに太さ(ジオメトリの「ベベル」)を設定するだけで、簡単に髪の毛の房が作れます。カーブの制御点を動かすだけで髪の形や流れを直感的に調整できるので、修正がとても楽なのがメリットです。

メッシュで作る方法

より自由な形を作りたい場合や、ゲーム用のモデルなどポリゴン数を管理したい場合には、メッシュで直接作る方法が向いています。平面オブジェクトから「押し出し」を繰り返して髪の房の形を作っていくのが一般的です。少し手間はかかりますが、毛先のディテールや複雑な髪型も表現しやすいという利点があります。

手順4 体のモデリング

顔と頭部が完成したら、次は体を作っていきます。ここでも下絵に合わせて、バランスを確認しながら進めることが大切です。

胴体の作成

首から下の胴体は、円柱や立方体から作り始めます。下絵のシルエットに沿うように、押し出しや拡大・縮小を繰り返して形を整えていきましょう。肩や腰回り、胸など、後で動かすことになる関節部分は、ループカットでポリゴンを少し多めに分割しておくと、リギング(骨入れ)の工程で滑らかに変形させることができます。

腕と手の作成

腕は、肩の部分の面を選択して、そこから押し出して作ります。肘の部分には、曲げたときに自然に見えるよう、ループカットを2〜3本入れておくと良いでしょう。手は指のモデリングが複雑なので、最初は指先まで一体の「ミトン」のような形で作ってから、ナイフツールやループカットで指を一本ずつ切り分けていくと、初心者の方でも形を作りやすいです。

脚と足の作成

脚も腕と同様に、腰の付け根あたりから面を押し出して作っていきます。膝も肘と同じように、曲がることを意識してポリゴンを分割しておきましょう。足先も手と同じで、まずは靴のような大まかなブロック状の形を作り、そこから指や甲のディテールを加えていくとスムーズに進められます。

手順5 服やアクセサリーのモデリング

キャラクターの素体ができあがったら、服やアクセサリーをモデリングして着せてあげましょう。一番簡単な方法は、素体の服で隠れる部分のメッシュを複製・分離し、「厚み付け(ソリッド化)モディファイア」で厚みをつける方法です。これだけで体にフィットしたTシャツやズボンを簡単に作れます。

フリルのついたスカートや複雑なデザインの衣装は、新しいオブジェクトを追加して一からモデリングします。このとき、「シュリンクラップモディファイア」を使うと、作った服を素体の表面にピタッと沿わせることができるので非常に便利です。

手順6 全体のバランスを調整して仕上げる

すべてのパーツが揃ったら、最後の仕上げです。一度下絵を非表示にして、様々な角度からキャラクターをじっくりと眺めてみましょう。「なんだか頭が大きいかも」「腕が少し短いかな?」といった違和感があるかもしれません。

そうした微調整には、「プロポーショナル編集」機能が役立ちます。この機能をオンにすると、一つの頂点を動かしたときに、その周りの頂点も影響を受けて滑らかに動いてくれるので、全体のシルエットを崩さずに自然な修正ができます。納得がいくまで調整を重ねて、キャラクターの「形」を完成させましょう。これで、モデリングの工程は完了です!

全身超合金姿の戦隊戦士が氷上でポーズを決めている

キャラクターモデリング完成後の次のステップ

キャラクターの形ができあがったら、いよいよ命を吹き込んでいく工程に入ります。モデリングはゴールではなく、素晴らしい作品を生み出すためのスタート地点です。ここからのステップで、あなたの作ったキャラクターはもっと魅力的になりますよ。一つ一つの作業を楽しみながら進めていきましょう!

UV展開でテクスチャを貼る準備をする

まずは、作った3Dモデルに色を塗るための下準備、「UV展開」という作業を行います。これは、立体のモデルを展開図のように平面に広げる作業のことです。この展開図の上に絵を描くことで、モデルにテクスチャ(模様や色)を貼り付けることができるようになります。

主な手順は、モデルに「シーム」と呼ばれる切れ込みを入れて、展開したときにきれいに広がるようにします。どこにシームを入れるかがポイントで、服の縫い目や、普段あまり見えないような場所を選ぶのがコツです。少し根気のいる作業ですが、このUV展開がきれいできていると、後のテクスチャ作業がぐっと楽になります。焦らず丁寧に進めることが、クオリティアップへの近道です。

テクスチャペイントで色を塗る

UV展開が終わったら、いよいよ色塗りの工程、「テクスチャペイント」です。Blenderには、3Dモデルを直接見ながら、まるでキャンバスに絵を描くように色を塗れる機能が備わっています。作ったキャラクターに自分の手で色をつけていく、とても楽しい作業ですよ。

Blenderの「テクスチャペイント」モードを使えば、ブラシの種類や色、大きさを変えながら、キャラクターの肌や服、髪の色を直感的に塗っていくことができます。レイヤー機能も使えるので、下塗り、影、ハイライトなどを別々のレイヤーに分けると、修正も簡単で、より深みのある表現が可能です。どんな色にしようか、どんな模様を入れようか考えながら、あなたのキャラクターに個性を与えてあげましょう

マテリアル設定で質感を表現する

色を塗っただけでは、キャラクターはまだのっぺりとした印象かもしれません。ここで重要になるのが「マテリアル設定」です。マテリアルとは、物体の質感を決める設定のことで、これを使うと金属の光沢、布の柔らかさ、肌のすべすべ感などを表現できます。

Blenderでは「プリンシプルBSDF」というノード一つで、ほとんどの質感をリアルに表現できます。主な設定項目には次のようなものがあります。

設定項目役割と効果
ベースカラー物体の基本的な色を設定します。テクスチャペイントで作成した画像をここに接続するのが一般的です。
メタリック金属らしさを調整します。値を上げると金属のような光沢になり、下げるとプラスチックや布のような非金属の質感になります。
ラフネス表面の粗さを調整します。値が低いとツルツルになり鏡のように反射し、高いとザラザラになり光が拡散します。
ノーマルモデルの形状を変えずに、細かい凹凸やディテールを擬似的に追加できます。シワや布の織り目などの表現に使われます。

これらのパラメータを調整するだけで、キャラクターの見た目が驚くほどリッチになります

リギング(ボーン入れ)でキャラクターを動かせるようにする

キャラクターにポーズをつけたり、アニメーションで動かしたりしたいなら、「リギング」という作業が必要です。これは、キャラクターの中に「アーマチュア」と呼ばれる骨格(ボーン)を入れて、動かせるようにする工程です。

まずは、人間の骨格を参考にして、キャラクターの関節にあたる部分にボーンを配置していきます。その後、「ウェイトペイント」という作業で、どのボーンがモデルのどの部分を動かすかを設定します。例えば、腕のボーンを動かしたときに、腕のメッシュだけが自然に追従するように調整するわけです。少し複雑に感じるかもしれませんが、リギングが完成すれば、あなたのキャラクターは自由にポーズをとれるようになります

ポーズをつけてレンダリングする

さあ、いよいよ最後の仕上げです。リギングしたキャラクターに好きなポーズをつけ、一枚の画像として出力する「レンダリング」を行いましょう。これで、あなたのオリジナルキャラクターが完成します。

レンダリングを成功させるには、3つの要素が重要です。

  • ポージング: キャラクターの性格や魅力が伝わるような、かっこいいポーズやかわいいポーズをつけてみましょう。
  • ライティング: ライトの当て方一つで、キャラクターの印象は大きく変わります。まずは基本の3点照明(キーライト、フィルライト、バックライト)を試してみるのがおすすめです。
  • カメラ設定: どんな角度から撮影するかで、作品の構図が決まります。キャラクターが一番魅力的に見えるアングルを探しましょう。

準備ができたら、レンダリングを実行します。パソコンのスペックによっては少し時間がかかるかもしれませんが、処理が終わって完成した画像が表示されたときの感動は格別です。ライトやカメラを色々試して、あなたのキャラクターの最高の瞬間を切り取ってみてください

Blenderキャラクターモデリングが上達するコツ

Blenderでのキャラクターモデリングは、機能が多くて覚えるのが大変そうに感じるかもしれません。でも、いくつかのコツを押さえるだけで、上達のスピードはぐっと上がります。ここでは、初心者が挫折せずに、楽しみながらスキルアップしていくための具体的な方法を紹介しますね。

まずは簡単なローポリモデルから挑戦する

いきなりリアルで複雑なキャラクターを作ろうとすると、作業量の多さや難しさで挫折してしまいがちです。上達への一番の近道は、まず「完成させる」という成功体験を積むこと。そのためには、少ないポリゴン(面の数)で作る「ローポリモデル」から始めるのがおすすめです。

ローポリモデルには、次のようなメリットがあります。

  • 形状の把握がしやすい:少ない頂点や面で構成されているため、全体の形を直感的に理解しやすく、モデリングの基本である「形を捉える力」が養われます。
  • 短時間で完成できる:作業工程が少ないので、数時間から1日程度で一体を完成させることも可能です。小さな達成感を積み重ねることで、モチベーションを維持しやすくなります。
  • 修正が簡単:ポリゴン数が少ない分、後から形を修正するのも簡単です。気軽に試行錯誤できるので、どんどん練習がはかどります。

最初は、単純なロボットやデフォルメされた動物、カクカクしたデザインのキャラクターなど、シンプルな形状のものから挑戦してみましょう。「これなら作れそう!」と思えるものを選ぶのが、楽しく続ける秘訣です。

便利なアドオンを活用しよう

Blenderには「アドオン」という追加機能がたくさん用意されています。アドオンを使うと、面倒な作業を自動化したり、複雑な形状を簡単に作れたりして、モデリングの効率が劇的にアップします。最初からすべてを自力でやろうとせず、便利なツールは積極的に活用していきましょう。

キャラクターモデリングで特に役立つ、代表的なアドオンをいくつか紹介します。

アドオン名主な機能価格帯
Auto-Rig Proキャラクターに骨(アーマチュア)を入れて動かす「リギング」という作業を、半自動で行ってくれます。モデリング後の工程ですが、作業全体を効率化できます。有料
Hair Tool for Blenderカーブを使って、直感的でリアルな髪の毛を効率よく作成できます。髪のモデリングで悩んでいる人には特におすすめです。有料
MB-Labリアルな人体モデルをパラメーター調整だけで自動生成できます。生成されたモデルをベースに、自分好みのキャラクターへ改造する練習にも最適です。無料
Hard Ops / Boxcutterメカや鎧、武器といった硬い物(ハードサーフェス)のモデリングを強力にサポートします。キャラクターが装備するアイテム作りで大活躍します。有料

有料のアドオンもありますが、作業時間を大幅に短縮できるものが多く、長い目で見れば十分な価値があります。まずは無料のMB-Labから試してみて、アドオンの便利さを体感してみるのも良いでしょう。

参考になるチュートリアル動画やサイト

独学でBlenderをマスターするのは大変ですが、今はインターネット上に質の高いチュートリアルがたくさんあります。自分に合った先生を見つけるような感覚で、分かりやすい解説動画やサイトを探してみましょう

dankdenet

私もYou TubeとUdemyは、お世話になっています!

特におすすめなのが、動画で学べるYouTubeです。実際の操作画面を見ながら一緒に作業を進められるので、初心者でも迷いにくいのが大きなメリットです。

  • 国内のYouTubeチャンネル:日本語で丁寧に解説してくれるチャンネルがたくさんあります。「3Dのメモ帳」さんや「Toha Vlog」さんなどは、初心者向けの基本操作から実践的なアバター制作まで、幅広いチュートリアルを公開していて人気です。
  • 海外のYouTubeチャンネル:「Blender Guru」や「CG Geek」といったチャンネルは世界的に有名です。英語が分からなくても、映像を見ているだけで勉強になります。最新技術やプロの制作フローに触れる良い機会にもなります。
  • 学習プラットフォーム:Udemyなどのオンライン学習サイトでは、体系的にまとめられた有料講座が数多く販売されています。セール期間を狙えば、手頃な価格で質の高いコースを購入できます。

チュートリアルを選ぶ際は、完成するモデルの見た目が自分の好みかどうかも大切です。作りたいものが作れると、学習のモチベーションも自然と高まりますよ。

モデリングでつまずいた時の解決策

どんなに慣れた人でも、モデリング中には「思った形にならない」「エラーが出た」といった問題に必ずぶつかります。そんな時、どうやって解決すればいいかを知っておけば、挫折する可能性をぐっと減らせます。

まずは自分で調べてみる

問題が起きたら、まずは検索エンジンで調べてみる癖をつけましょう。「Blender 〇〇 できない」「Blender 頂点 結合」のように、「ツール名」と「やりたいこと」や「困っている状況」を組み合わせて検索するのがコツです。多くの場合、同じ問題で悩んだ先人たちの解決策が見つかります。

コミュニティに質問する

どうしても自力で解決できない場合は、他の人に質問してみましょう。X(旧Twitter)で「#b3d」や「#Blender初心者」といったハッシュタグを付けて投稿すると、親切なユーザーがアドバイスをくれることがあります。質問する際は、何がしたいのか、どこで困っているのかを具体的に書き、スクリーンショットを添付すると、的確な回答が得られやすくなります。

一旦離れてみる

一つの問題に何時間も悩んでしまうと、精神的に疲れてしまいます。そんな時は、一度作業から離れて休憩するのも立派な解決策です。少し時間を置いたり、別の簡単な作業をしたりすることで、新しい視点や解決策が思い浮かぶことはよくあります。煮詰まったら無理せず、気分転換を心がけましょう。

まとめ

この記事では、Blenderを使ったキャラクターモデリングの始め方から完成までの全手順を、初心者の方にも分かりやすく解説しました。「キャラクター制作って専門的で難しそう…」と感じていたかもしれませんが、一つひとつの手順を追っていけば、誰でも自分だけのオリジナルキャラクターを生み出せることが、お分かりいただけたのではないでしょうか。これが、Blenderでのキャラクターモデリングは初心者でも挑戦できる、という結論です。

モデリングをうまく進めるコツは、いきなり複雑なものに挑戦しないことです。まずはこの記事で紹介したように、下絵を準備して、簡単な形の組み合わせから顔や体を作ってみましょう。特に、最初は少ないポリゴン数で作る「ローポリモデル」から始めると、全体の形を捉えやすく、つまずきにくいのでおすすめですよ。操作に慣れてきたら、少しずつディテールを加えていけば大丈夫です。

モデルが完成すれば、色を塗ったり、骨組みを入れてポーズをつけたりと、楽しみはさらに広がっていきます。この記事が、あなたの創作活動の第一歩を後押しできたら、とても嬉しいです。さあ、あなたもBlenderで、世界に一つだけのキャラクターを生み出す楽しさを、ぜひ味わってみてください!

リアル系モデル:映画・映像作品、リアルな表現のゲーム、デジタルアート

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