【初心者向け】Blender体モデリングチュートリアル完全版!挫折しない人体の作り方①

Blenderで体のモデリングを一から学びたい人へ。この記事はBlender 4系対応。参照画像のセットアップからブロックアウト、ミラーとサブディビジョン、関節に強いトポロジーとエッジループ設計、スカルプトとリトポロジー、UV展開とテクスチャ、マテリアルとシェーディング、Rigifyでのリギングとウェイトペイント、Eevee/Cyclesでのレンダリングまで、初心者が挫折しにくい手順で解説します。よくある失敗の対処やF2・LoopToolsも紹介。結論、必要な知識と作業の順番が明快になり、迷わず全身モデルを完成できます。

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目次

Blender体モデリングチュートリアルの全体像

この章では、Blender 4系を使って「立方体から始めて、リギングとレンダリングまで到達する」人体モデリングの全体像を先に把握します。作業の見通しをつけておくと、途中で迷いにくく、手戻りも少なくなります。ブロックアウト、トポロジー設計、スカルプトとリトポロジー、UV展開、マテリアルとシェーディング、リギング、最終レンダリングまで、初心者でも無理なくステップアップできる順番で進めます。

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本チュートリアルのゴールと完成イメージ

ゴールは、ゲームや映像のベースとして使える、四角面主体のクリーンな人体モデルを作り、簡単なポーズで最終レンダリングまで行うことです。ブロックアウト段階で全身のプロポーションを固め、関節に強いエッジループを備えたトポロジーに整え、必要最低限のディテールとテクスチャ、そしてRigifyでの基本リグを付与します。

目標項目内容到達基準
ベースメッシュ全身ローポリ(四角面主体)、ミラーとサブディビジョン前提のクリーントポロジー三角面・Nゴンの排除、面のねじれ最小、法線統一
エッジフロー肩・肘・膝・股関節・首・顔周りのループ構成曲げシワが自然で、極点(ポール)が整理されている
形状仕上げプロポーショナル編集とスカルプトでボリューム調整胸郭・骨盤・背中の起伏や筋量が自然に見える
リトポロジーShrinkwrapを用いた投影と面の再配置ディテールを保ちつつ、面の流れが整理されている
手足のディテール手の甲、親指の付け根、指先と爪/足首、足裏のアーチ変形時に破綻しない分割とエッジループ
UV展開シーム配置、アイランド整理、重なりの解消伸び歪みが少なく、ペイントしやすいレイアウト
マテリアルPrincipled BSDFでの肌ベース、簡易な目・爪の設定Eevee/Cyclesのどちらでも破綻しない見栄え
テクスチャベイク(必要に応じてノーマル・AO)、テクスチャペイント陰影の情報が活かされ、質感が安定
リギングRigifyのメタリグ生成とウェイトペイントの基本調整立ち・座り・腕上げなどの簡易ポーズで破綻が少ない
最終成果物ポーズ済み静止画のレンダリングと.blendの整理コレクション・命名・スケールが統一されている

完成イメージは「軽量で扱いやすい、後工程(服作り・アニメーション)に強い人体ベース」。必要に応じてディテールを足せる、増改築しやすい設計を狙います。

必要な環境とバージョン対応 Blender 4系

本チュートリアルはBlender 4系を前提に進めます。安定性を重視するならLTS版を推奨します。Windows・macOS・Linuxいずれでも作業できますが、GPUレンダリング環境があるとCyclesでの確認がスムーズです。

項目推奨補足
BlenderバージョンBlender 4.x(安定版)インターフェースやモディファイアー名は4系準拠で記載
OSWindows 10/11、macOS、Linux日本語入力環境・3ボタンマウスが作業しやすい
GPUNVIDIA/AMD/Apple Silicon 対応GPUCyclesのCUDA/OptiX・HIP・Metalに対応した環境が望ましい
メモリ16GB以上推奨スカルプトやベイク時の余裕につながる
入力デバイス3ボタンマウス、テンキー、ペンタブ(任意)視点操作・精密調整・スカルプトが快適
主な付属アドオンRigify、LoopTools、F2全てBlenderに同梱。ユーザー設定で有効化して使用

環境差で見た目やショートカットが少し変わる場合がありますが、操作の意図と原理を中心に説明するので、そのまま読み替えて進められます。作業の前に「単位(メートル)」「シーンスケール」「ビューポートのクリップ範囲」を確認しておくと、後半のリギングやレンダリングでのトラブルを避けやすくなります。

制作の流れ 準備からレンダリングまで

以下の順序で進めます。各フェーズの目的とチェックポイントを明確にし、行き来しやすいように区切って作業します。

フェーズ主なモード主な操作・モディファイアー成果物/チェックポイント
事前準備レイアウト参照画像の用意・配置、単位とスケール設定正面・側面のガイドが揃い、頭身・プロポーションの目標が明確
ブロックアウト編集/オブジェクトエクストルード、ループカット、スナップ、ミラーモディファイアー胴体・腕・脚・頭の大まかな形状と体積、中心線の整列
トポロジー設計編集エッジループ配置、ポール(極点)の整理、サブディビジョン関節に強いエッジフロー、四角面主体、面のねじれ最小
形状仕上げ編集/スカルプトプロポーショナル編集、スカルプトでのボリューム調整胸郭・骨盤・肩回りの自然な起伏、シルエットの改善
リトポロジー編集Shrinkwrap、サーフェススナップ、面の再配置ディテールとクリーントポロジーの両立、サブディビジョン耐性
手と足のディテール編集指の分割、親指の流れ、爪・足裏の作り分け握る・踏み込む動きに破綻しないエッジループ
服と小物編集ブーリアン、ソリッド化、シュリンクラップでのフィットベースメッシュに沿った軽量な衣装メッシュ
UV展開とテクスチャUV編集シーム配置、アイランド整理、ベイク、テクスチャペイント伸びの少ないUV、必要なマップ(ノーマル、AO等)が揃う
マテリアルとシェーディングシェーディングPrincipled BSDF、Eevee/Cycles設定、ライティングの確認肌・目・爪が自然に見えるベース設定
リギングとウェイトオブジェクト/ポーズ/ウェイトペイントRigifyメタリグ、オートウェイト、要所の手動調整基本ポーズでのデフォーム検証と修正
ポーズとレンダリングポーズ/レンダー三点照明、カメラアングル、最終レンダリング書き出し用の最終画像と整理済みプロジェクト

「形を大きく決める→エッジフローを整える→質感と見せ方を固める」という順序だけ守れば、途中で戻っても破綻しにくく、学習効果も高くなります。各フェーズの終わりには、スケール、法線、トポロジー、歪み、レンダー設定の簡易チェックを入れ、品質を一定に保ちながら前進します。

事前準備と参照画像の用意

キャラクタ前・薄里・横の全体ポーズ

制作をスムーズに進めるために、最初の設計段階で人体の比率と参照画像、そしてシーンの単位設定をきちんと整えておきます。参照画像は正面・側面を同一スケールで揃え、オルソビューで正確に配置することが、後戻りを防ぐいちばんの近道です。

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自分が描くキャラクターで人体のバランスが決めましょう。

解剖学の基本と頭身比の理解

人体モデリングでは、骨格と筋肉の「ランドマーク(形状の節目)」を先に押さえます。肩峰、鎖骨、みぞおち、へそ、上前腸骨棘(骨盤の前側)、大転子、膝、くるぶしなどは、面の曲がりやエッジフローの切り替え点になりやすい場所です。これらを意識してブロックアウトすると、後のトポロジー設計が安定します。

比率は「頭身(頭の高さを単位とした体全体の比)」を基準に整理すると迷いにくく、スタイルに合わせて調整できます。

スタイル頭身の目安用途・印象肩幅の目安
標準的なリアル7.5〜7.75頭身日常的・自然な体型。関節の可動検証に向く。頭幅の約2.5〜3倍
ヒーロー(理想化)8〜8.5頭身スタイル重視。シルエットがシャープ。頭幅の約3〜3.25倍
スタイライズ(デフォルメ)6〜7頭身アニメ寄り・可動域優先。情報量を整理。頭幅の約2〜2.5倍

縦方向のランドマークの関係も覚えておくと、正面・側面を合わせやすくなります。目の高さは頭頂と顎のほぼ中間、肩幅の中心に耳、肘はへそ付近の高さ、手首は骨盤の少し下、指先は大腿の中ほど、股関節の中心は体の真ん中より少し下、膝は脚の中間よりやや上、くるぶしは全高の最下端近くです。正面と側面で同じ高さラインを引いておくと、後で迷いません。

参照に使う素体のラフは、Adobe Photoshop、Krita、CLIP STUDIO PAINTなど、手に馴染んだツールで構いません。重要なのは、正面・側面の輪郭とランドマークの高さをぴったり一致させることです。

正面と側面の参照画像設定

まず、正面図と側面図のキャンバスを同一サイズで用意し、中心線(正面は体の正中線、側面は耳孔から踵を結ぶ垂直線)と床面ライン(足裏)を目立つ色で描いておきます。輪郭はできるだけ単純化し、肩峰、胸骨のくぼみ、へそ、股関節の中心、膝、くるぶしに水平ガイドを引いておくとベストです。

項目推奨設定ポイント
解像度縦3000〜4000px(2K以上)ズーム時もラインが潰れにくい。作業負荷と相談。
形式PNG透過が使え、色がにじみにくい。
線色グレー〜中明度色モデリング時の陰影とケンカしない。
ガイド中心線・床面・主要ランドマーク正面と側面で同じ高さに揃える。
命名規則char_ref_front.png / char_ref_side.png後で差し替え・バージョン管理が楽。

Blenderでの配置はオルソビュー(平行投影)で行います。正面はテンキー1、右側面はテンキー3、オルソ/パース切り替えはテンキー5です。ビューを固定したら、追加から画像を選び参照画像を挿入します。

手順(正面): テンキー1で正面オルソ → 追加 > 画像 > 参照 → 正面画像を選択 → 3Dビュー上に読み込み。手順(側面): テンキー3で右側面オルソ → 追加 > 画像 > 参照 → 側面画像を選択。これでそれぞれの画像は対応するビュー面に自動で整列します。

読み込んだ参照画像を選択し、オブジェクトデータプロパティ(画像のアイコン)で調整します。サイズは想定身長に合わせ、例として170cmを基準にするなら、ユニットをメートルにしたうえで「サイズ」を1.7に設定すると視覚合わせが楽です。深度は「前面」を選ぶとメッシュの陰に隠れません。サイドは「両面」を使うと左右反転ビューでも見えます。不透明度は0.3〜0.6程度に下げ、モデリング中の面やエッジが読み取りやすい濃さに調整しましょう。

床面合わせも忘れずに。Z=0を床とみなし、足裏のラインがグリッドの原点高さに乗るように移動します。3Dカーソルを原点に置き(Shift+Sでカーソルをワールド原点へ)、参照画像の原点位置を基準に微調整すると正確です。

誤操作防止のため、参照画像は専用コレクション(例:REF)にまとめ、アウトライナーで「選択不可」をオンにしてロックしておくと安心です。最後に、テンキー7の上面ビューで前後のズレがないかを確認し、必要なら側面画像をX軸方向に微調整します。

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単位は、最初に固定してください。

単位とスケール設定の確認

人体は「実寸」で作ると、後工程のリギング、物理、布シミュレーション、ライト・カメラの露出設定まで一貫して扱いやすくなります。1メートル=1Blenderユニットの原則を守り、シーンの単位系を最初に固定しておくことが大切です。

設定箇所推奨値(Blender 4系)理由・備考
単位系メートル(Metric)現実スケールの把握が容易。計測・物理と整合。
Unit Scale1.0001BU=1mとして運用。サイズの見積もりが直感的。
長さ表示m(必要に応じてcm表示)数値入力を統一しミスを減らす。
クリップ開始/終了0.01m / 100m 目安人体スケールでのハギレ・チラつきを抑制。
グリッドスケール1mを基準足元や高さ合わせの視認性が上がる。

参照画像の高さと実寸を一致させたら、メッシュ作成時も数値で合わせます。ブロックアウトの初期キューブは高さ約0.3m〜0.4mに設定して胴体のブロックに流用すると、スケール感を保ちやすくなります。モデル全高が決まったら、メジャーツールで頭頂から足底までを計測して狙い通りか確認し、オブジェクトのスケールは適用(Ctrl+Aでスケールを適用)しておきます。

左右対称で組む予定なら、ワールド原点のYZ平面を体の正中線に置きます。原点がずれているとミラーリング時に破綻しやすくなるため、モデリング開始前に原点位置と軸合わせを見直してください。実寸・原点・軸の3点が揃っていると、Rigifyによるリギングやアニメーション作業まで一気にラクになります。

基本操作とモディファイアーの基礎

ここでは、人体モデリングを気持ちよく進められるように、Blender 4系での基本操作と「ミラー」「サブディビジョン サーフェス」という定番モディファイアーの使い方をまとめます。まずは操作のつまずきをなくし、続いてモディファイアーを使った非破壊モデリングの土台を整えます。

オブジェクトモードと編集モードの切り替え

人体の形づくりでは、モデル全体を扱う「オブジェクトモード」と、頂点・辺・面を直接編集する「編集モード」を行き来しながら作業します。Tabキー、または3Dビュー上部のモード切り替えメニューで、状況に応じて素早く移動するのがコツです。モードを切り替えると使えるツールが変わるため、どの作業をどちらのモードでやるかを最初に決めておくと迷いません。

編集モードでは、1・2・3キーで「頂点・辺・面」の選択モードを切り替えられます。人体の曲面は面の流れ(エッジフロー)が重要なので、面選択で大まかな変形、辺選択でループを調整、頂点選択で微修正という使い分けが安定します。

ピボット(変形の中心)とオリジン(オブジェクトの基準点)も意識しましょう。ピボットは3Dビューのヘッダーから変更できます。オリジンはオブジェクトモードで設定し、必要に応じて「オブジェクト」メニューから「原点をジオメトリへ」にして整えます。これにより、回転やミラーの中心がブレず、左右対称の人体が作りやすくなります。

モード主な用途代表的な操作注意点
オブジェクトモードモデル全体の配置・スケール調整、モディファイアー設定移動・回転・拡大縮小、オリジンの調整、モディファイアーの追加/適用スケールはCtrl+Aで適用してからモディファイアーを使うと挙動が安定
編集モード頂点・辺・面の形状編集、エッジフローの整備エクストルード、ループカット、ベベル、スライド四角面(クアッド)中心で構成すると後工程のスムーズさが段違い

スケールを大きく変更したら、Ctrl+Aで「スケールの適用」を実行してから編集に進むと、ベベルやサブディビジョンの効きが均一になります。

ナビゲーションとキーショートカット

視点移動は作業スピードを左右します。中ボタンで回転、Shift+中ボタンでパン、ホイールでズームを基本に、テンキーの1(正面)・3(右)・7(上)と、それぞれのCtrl併用で逆方向を覚えると素早くアングルを切り替えられます。5で透視/平行投影の切り替え、0でカメラビューも便利です。ノートPCなら、ユーザー設定の「テンキーを模倣」を有効にして数字キーでビュー切り替えを使いましょう。

選択と変形は最小限のキーでまとまります。Aで全選択/解除、Bでボックス選択、Cでサークル選択、Alt+クリックでエッジループ選択、Hで非表示、Alt+Hで再表示。G(移動)・R(回転)・S(拡大縮小)はX/Y/Zで軸固定、Shift+軸でその軸を除外できます。E(エクストルード)、I(インセット)、Ctrl+R(ループカット)、Ctrl+B(ベベル)、GG(スライド)、K(ナイフ)、X(削除)、M(マージ)も頻出です。

操作ショートカット使いどころポイント
視点の固定テンキー1/3/7、Ctrl併用で逆方向正面・側面・上面からの整形人体の比率合わせは正面と側面の往復が基本
エクストルードE腕・脚・首などの延長面を内側/外側に増やして厚みや長さを作る
ループカットCtrl+R肘・膝・肩周りの分割追加分割数は最小限に抑え、後のサブディビジョンで滑らかさを確保
ベベルCtrl+Bエッジの立ち上がり強調段数は少なめ、支持エッジとして使うと形が締まる
スナップマグネットアイコン(UI)左右対称や床面合わせ頂点/辺/面スナップを切り替えて正確に位置合わせ

視点を頻繁に切り替えながら、G・R・Sと軸固定を組み合わせるだけで、ブロックアウトの精度がぐっと上がります。操作を減らし、確認を増やすのが上達の近道です。

ミラーとサブディビジョンの使い方

人体は基本的に左右対称なので、最初から「ミラーモディファイアー」を使うと効率が大幅に上がります。さらに「サブディビジョン サーフェス」で滑らかさを確保しつつ、編集はローポリのままで進めるのが定番です。モディファイアーの積み順は「ミラー → サブディビジョン」の順番が基本です。先にミラーで形を確定し、それから滑らかにします。

ミラーの下準備として、モデルを正確に半分にして原点を中心に置きます。編集モードで中央頂点をX=0に揃え、オブジェクトモードでオリジンがシーン原点にあることを確認します。これで左右の接合部がズレにくくなります。

ミラー設定項目推奨設定理由/効果
AxisX(人体の左右)標準的な左右対称を維持
Clippingオン中央で頂点が重なり、隙間や交差を防ぐ
Mergeオン、距離は小さめ(例: 0.001m)中央の頂点を自動結合して継ぎ目を消す
Bisect必要に応じてオン片側を自動で切り落として正確な対称に
Mirror Object未使用(標準)中心がずれている場合のみEmpty等を指定

次にサブディビジョン サーフェスを追加します。表示レベルは1〜2、レンダーレベルは作業負荷に応じて2〜3が目安です。Catmull-Clarkで面を滑らかに補間し、「最適表示(Optimal Display)」をオンにするとビューポートが見やすくなります。シャープなエッジを保ちたい箇所は、Ctrl+Rで支持エッジを寄せるか、必要に応じてShift+Eでエッジクリースを使います。

サブディビジョン設定推奨値/使い方注意点
Levels Viewport1〜2高すぎると重くなる。ブロックアウト中は1で十分
Render2〜3最終品質に合わせて調整。PC性能と相談
Subdivision TypeCatmull-Clark人体の滑らかさに適した補間
Optimal Displayオンワイヤー表示を簡潔にして編集しやすい
エッジ制御支持エッジ or クリース過剰な分割は避け、後のリギング/UVに備える

モディファイアーは「適用」せずに進めるのが基本です。対称崩れの修正やエッジフロー調整が後戻りでき、データも軽く保てます。どうしても適用が必要な場面(スカルプトに移行、外部ツールへエクスポート等)まで待つと、安全でクリーンなメッシュを維持できます。

最後に、ミラーの結合部に微妙な段差が出る場合は、中央頂点の位置を確認し、必要ならスナップを「インクリメント」または「頂点」に設定してX=0へ正確に揃えます。これだけで継ぎ目のトラブルがぐんと減ります。

キャラクタハイキングスタイル

ブロックアウト 立方体から全身を組み立て

ここでは、1個の立方体から始めてミラーモディファイアーを活用し、胴体・手足・頭部までを一気に組み立てます。サブディビジョンは最初から強くかけず、ローポリのまま大きなシルエットとプロポーションを固めるのがコツです。参照画像(正面・側面)を表示しながら、押し出し(Extrude)とループカット(Loop Cut)中心で進めると迷いにくく、後工程のトポロジー整理やウェイトペイントでも破綻しにくい形に育ちます。

細部を作り込む前に、全身の体積とバランスを早い段階で決め切ることが、挫折しない人体モデリングの最短ルートです。 Blender 4系ではミラーのClipping、X-Ray、スナップ、オートマージを適切に使うだけで、スピーディーに「破綻しにくいベースメッシュ」を作れます。

胴体のブロックアウトとプロポーション調整

新規の立方体を原点に配置し、スケールをおおまかに成人体の胴体サイズへ合わせたら、適用(スケールの適用)を済ませてからミラーモディファイアーを追加し、Clippingをオンにします。X-Ray表示に切り替え、正面・側面の参照画像に合わせて上下左右へ面と頂点を動かし、胸郭と骨盤をまとめて含む「胴ブロック」を作ります。ここではあくまで箱感を残し、角の丸めはしません。角があるほど、シルエットのズレが見つけやすいからです。

一度で作り切ろうとせず、縦方向に少数のループカットを入れて「胸・腹・骨盤」の段分けを行い、各段を回転・拡大縮小してボリュームを取ります。側面ビューでは、胸は前へ膨らみ、腹部はやや引き、骨盤は前傾気味になるように調整すると、立ちポーズでも自然な重心に近づきます。サブディビジョンはプレビュー1〜2で確認する程度に留め、編集は常にローポリ側で行います。

胸郭と骨盤の比率取り

胸郭と骨盤は人体シルエットを決める基礎ブロックです。胸郭は上広がり・下すぼまり、骨盤は上すぼまり・下広がりという傾向を箱で表すと、後のスカルプトやリトポロジーでも意図したプロポーションが維持しやすくなります。側面では、骨盤の前縁がわずかに前へ出て、仙骨側は後ろへ逃げる傾きが出るように意識します。肩幅や腰幅はキャラクター性に直結するため、参照画像を見ながら「横幅の最大点」がどこに来るかを正面・側面で同時にチェックします。

項目位置の目安形の傾向調整のポイント
胸郭 上端肩の付け根より少し下前後にやや膨らむ側面で「胸の張り」が出るよう前方へわずかに張り出す
胸郭 下端みぞおち付近下方向に絞られる腹部への移行部で角を保持し、段差を残しておく
骨盤 上端腰のくびれ付近前傾気味の箱正面の横幅は体型に応じて調整、側面で前傾をつける
骨盤 下端股間の上部下方向でやや広がる脚付け根のスペースを確保し、面が交差しないようにする

胸郭と骨盤の「箱」を正しく傾けるだけで、立体としての説得力が一気に増し、あとから筋肉や衣服をのせても崩れません。 一旦大きめに作り、必要に応じて縮める方がシルエットの検証がしやすく失敗が少ないです。

ループカットによる分割計画

ブロックアウト段階のループカットは必要最小限で構いませんが、後の関節可動とエッジフローを見越した「位置取り」は重要です。特に胴体は、胸・腹・骨盤の段差を明確にし、側面の反りと前傾を作るためのカットを優先します。頂点数を増やしすぎると、押し出し時にねじれやすいので、段階的に増やします。

セクション推奨カット数の目安用途注意点
縦(上下方向)2〜3本胸・腹・骨盤の段分けサブディビジョン前提で等間隔にしすぎない(段差を残す)
横(周方向)最小限胸郭の楕円化、腰のくびれ角を残して箱っぽさをキープ、丸めすぎない
鼠径・脇各1本脚・腕の押し出し起点の補強押し出し開口のエッジ数を揃える準備に使う

カット後は、フロントとサイドを往復してシルエットを均し、必要なら頂点スライドで密度を調整します。目的は「押し出しやすい箱」にすることなので、角が立っていてOKです。

腕と脚の追加 エクストルードで形状を伸ばす

腕と脚は、胴体の側面と下端に用意した面から押し出します。押し出し前に、開口部のエッジループを均一に整え、断面が楕円に近づくように軽く調整しておくと、回転軸のブレが少なくなります。押し出しは短く刻み、1ステップごとに回転とスケールで方向と太さを決め、参照画像と一致するかを確認します。

部位押し出し開始面方向の基準断面形状密度合わせ
上腕肩の開口(脇の少し前寄り)正面でやや外側、側面で前→後へ緩く弧楕円(前後に長め)胴の開口エッジ数と一致させる
前腕肘付近の段で一度絞る手前方向に軽く回内・回外を想定やや扁平の楕円手の分割数を見据えて調整
大腿骨盤下端の開口(前寄りから開始)正面でわずかに内向き、側面で前傾円に近い楕円股関節の補助ループと揃える
下腿膝でいったん細く区切る外反気味にわずかに傾ける前後に厚い楕円足首でトポロジーを詰めすぎない

押し出し時にねじれが出たら、断面を一括回転して修正し、エッジループを1本だけ追加してカーブを受け止めます。肩や股関節の開口は、最初から完璧な円にせず、楕円+角の残る形で保持すると、後のエッジフロー設計がしやすくなります。

肩関節の付け根の作り方

肩は胴体側の開口を、前上がり・後下がりの斜めに配置するのがポイントです。これにより、上腕を押し出したときに自然な「肩の張り」が出ます。開口周辺に1本だけ補助ループを追加して丸みをコントロールし、脇の下へ落ちるラインは残しておきます。上腕の断面は、三角筋の張りを意識して前後にやや長い楕円にします。必要以上に丸めると肩幅が広がり、上半身のバランスが崩れやすいので注意します。

肩の開口を少し前寄り・上向きに傾けるだけで、腕の可動とシルエットが劇的に良くなります。 正面と側面を切り替え、鎖骨のラインと肩峰の位置を意識しながら微調整します。

股関節の接続と隙間対策

股関節は、骨盤の前傾を受けて脚の付け根が前寄りに来るように押し出しを始めます。開口の下側をやや広げ、内腿側へ向かうループを1本確保しておくと、歩行ポーズ時にできやすい食い込みを回避できます。隙間が出る場合は、Auto Merge(自動マージ)をオンにして内側へ寄せ、ミラーClippingで中央は確実に閉じます。面の交差が起きやすい箇所なので、X-Rayで裏面の重なりを常にチェックします。

膝位置はまだ厳密に作らず、下腿の押し出し開始部分で軽く絞る程度に留めます。ここでトポロジーを詰めると、後でループの再配置が難しくなります。胴体との接続は、骨盤の下端に残した段差で受け、脚の根元が滑らかに見えすぎないように注意します。

頭部と首の作成と接続

首は、胸郭上端から上方向に小刻みに押し出して作ります。前後の厚みは側面で喉のラインを意識し、正面ではやや前に寄せると自然です。断面は前後に薄い楕円を目指し、肩の斜めラインから無理なく立ち上がるようにつなぎます。首根元が太すぎると肩との境界が曖昧になるため、胴体側で段差を1つ残しておくと形がまとまります。

頭部は、首の最上段からさらに押し出しても良いですし、別の立方体を軽く整形してから結合(頂点マージ)しても構いません。ブロックアウト段階では目・口・鼻のディテールを切らず、前後・左右・上下の張り出しだけを決めます。額はやや後傾、後頭部は大きめに確保し、顔面はフラット気味に残すと、後工程のトポロジー設計とスカルプトがやりやすくなります。

頭は「大きめに取ってから減らす」くらいの気持ちで、後頭部の容積をしっかり確保しておくと、どの角度でも幼く見えにくく、ポーズを付けたときのバランスも安定します。 首と頭の境目はあえて角を残し、サブディビジョンは最小限にしておくのがおすすめです。

ここまでの段階で、全身の立方体由来の面構成は保ちつつ、プロポーションとシルエットが参照画像と大きくズレていないかを確認します。ズレがあれば、サブディビジョンを一時的にオフにしてローポリ側で頂点を動かし、各開口部(肩・股・首)の断面が歪んでいないかもチェックします。大枠が整っていれば、続くトポロジー設計とエッジフローの段階で、破綻なくクリーンアップできます。

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トポロジー設計とエッジフロー

人体モデリングの出来はエッジフローでほぼ決まります。筋肉や関節の方向に沿ってクワッド(四角面)を流し、均等な密度でリング(エッジループ)を組むと、サブディビジョンで崩れにくく、ポーズやアニメーション時のデフォームも素直になります。三角面やNゴンはできるだけ避け、必要な箇所のポール(バレンスが3や5の頂点)を意図的に配置して、曲がる軸から逃がすのが基本です。曲げる箇所にはループを増やし、曲げない領域は密度を抑えるという「必要な所にだけ解像度を置く」設計思想を徹底していきます。

以下では、関節に強いループ設計、顔の表情に耐えるループ構造、そして仕上げのクリーンアップまで、Blender 4系でそのまま実践できる基準を整理します。

関節に強いエッジループの配置

関節は「圧縮側」と「伸長側」がはっきり分かれるため、中央に折り目となるループを置き、その前後に等間隔のサポートループを重ねます。距離が詰まる圧縮側はループ間隔をやや狭く、伸長側は少し広めにすることで、曲げたときの面つぶれと伸びをコントロールできます。ポールは曲げの最深部(シワの谷)と回転軸の直上を避け、少し離れた平坦部に逃がすのがセオリーです。

部位推奨ループ構成の目安配置のポイント避けたい状態
折り目1+両側に2〜3本ずつ(合計5〜7本)前腕のねじれに合わせて手首側の流れを回し、三角筋側へポールを逃がす折り目上のポール、極端に長いクワッド、Nゴン
折り目1+両側に2〜3本ずつ(合計5〜7本)膝蓋部はやや密、ハムストリング側は少し広め。脛のエッジは骨稜線に沿わせる前面の不規則なポール、密度の段差、ねじれクワッド
球状の環状ループ+胴体側へ3〜4本の遷移ループ腋窩にポールを逃がし、胸背のどちらかに流れを分配。腕の回転で潰れない径を確保腕付け根にNゴン、環状が途切れるルート、段差のある接続
股関節骨盤開口を囲む環状ループ+鼠径部へ2〜3本会陰〜内腿にポールを集約し、臀部は大円筋に沿って広く回す股間の密度不足、ポールが股関節軸上に乗る配置

ループ間隔はできるだけ均等にしつつ、曲がり角度が大きい側を微調整します。エッジスライドで間隔を揃え、必要に応じてループカットやナイフで解像度を追加し、常に四角面を保つのがコツです。

肘と膝のループとポール整理

肘・膝はヒンジ関節です。中心の折り目ループを決め、圧縮側に向けて2〜3本のサポートを追加します。折り目の谷にポールを置かず、側面または少し外れた平坦部に退避させることで、深く曲げたときの面の潰れやシワ割れを防げます。肘は前腕の回内・回外の影響でねじれが生じやすいので、手首側でエッジフローの方向を調整し、上腕三頭筋側へ流すと安定します。膝は膝蓋部が硬いシルエットになるため、前面はやや密、後面は少し広めにして伸縮差を吸収します。

項目チェック基準
推奨ループ数5〜7本(折り目1+各側2〜3)5〜7本(折り目1+各側2〜3)90〜120度の曲げで面がつぶれない
ポール位置外側または内側の平坦部、折り目から1リング以上離す外側稜線付近や側面、谷の直上は避ける谷のクワッドが均一に圧縮・伸長している
面の形長辺比がおよそ1:1〜1:1.5同上、前面は正方形に近く極端な細長面やねじれ面がない

サブディビジョンの前に一度30〜60度の軽い曲げを想定して間隔を調整しておくと、ウェイトペイント時の修正が少なく済みます。

肩と股関節のポール配置

肩・股関節は球関節で回転自由度が高く、環状ループと放射状の流れを併用します。腕付け根と腋窩、股間と臀溝にポールをまとめ、回転軸から外した位置に「逃がし」を作ると、極端な挙上や開脚でも破綻しにくくなります。肩は胸側・背側どちらかに流れを偏らせ、腋窩にダイヤ形のクワッド構成を作ると、三角筋の丸みを保ちやすいです。股関節は骨盤の開口を明確な環状ループで囲み、内腿の付け根に向けて密度を確保、会陰側に高バレンス頂点を集約しておくとパンツや衣装の衝突にも対応しやすくなります。

関節有効なポール配置流れ(エッジフロー)典型的な破綻要因
腋窩の凹部、胸背のいずれかに分散腕周りの環状ループ+胴体へ3〜4本の遷移付け根のNゴン、環状途切れ、密度の段差
股関節鼠径部と会陰に集約、臀溝側に逃がし骨盤開口の環状+大腿前後へ放射状股間にポール集中、回転軸上の高バレンス

大きく動く関節では、衣装やベルトなどの境界を意識した流れも同時に設計しておくと、後工程(ソリッド化やシュリンクラップ)での調整がスムーズです。

顔のループ構造 目口鼻耳の流れ

表情変形に耐える顔のトポロジーは、目と口の「同心円ループ」を基礎に、鼻唇溝(法令線)や頬、顎の流れを合流・分岐させて作ります。まぶたと唇は必ず連続したリングで囲い、上下の厚みを確保することで、閉眼・開口の変形がきれいに収まります。ポールはこめかみ、鼻翼の外側、下顎角などの凹凸に逃がし、額や頬の広い面は均一なクワッドで構成します。

部位基本ループ数の目安重要な流れ注意点
目(眼窩〜まぶた)4〜6本の同心円+涙丘側に1本の補助上瞼は眉へ、下瞼は頬へ連結涙丘付近にポールを逃がし、瞼の厚みを確保
口(唇〜口角)4〜6本の同心円+口角にダイヤ構造唇の輪郭から法令線へ合流口角でNゴン禁止、内口腔への厚み・段差を作る
鼻(鼻翼〜鼻梁)鼻翼を囲む2〜3本+鼻梁の縦流れ鼻翼外側で頬ループと合流鼻孔縁にポールを逃がし、面のねじれ回避
耳(外耳)ヘリックスとアンチヘリックスで3〜4本耳孔から外輪へ同心円的に分配付け根で頭部とNゴンを作らない
顎・頬下顎縁に沿う2〜3本+頬で密度漸減口ループから顎縁・頬骨へ遷移広い面は正方形に近いクワッドで均一化

視線移動や口形(あ・い・う・え・お)を想定して、口角ダイヤと法令線の接続を早い段階で整えると、ブレンドシェイプやリギング時の修正を最小限にできます。

クリーンアップとノーマルの統一

トポロジーを組み終えたら、クリーンアップで不要な重複や位相エラーを解消し、ノーマルを統一します。Meshメニューのクリーンアップ(Merge by Distance)で重複頂点を統合し、非多様体や孤立エッジがないかを確認します。
ビューオーバーレイのフェースオリエンテーションで裏面(赤)を洗い出し、法線の再計算で一括修正しておくと、サブディビジョンやスキニング時の破綻を未然に防げます。

チェック項目想定症状主な原因対処
重複頂点ミラー継ぎ目の裂け、シェードの破綻結合漏れ、微小距離の二重化Merge by Distanceで統合、閾値は最小限
非多様体/孤立要素サブディビジョンで穴や尖り面の裏返り、重なり、開いたエッジ選択で抽出し削除・再接続、辺ループを再構築
裏面法線表示が赤、陰影の反転面の作成方向の不一致法線を外向きに再計算、必要箇所は反転
Nゴン/三角面曲面での波打ち、デフォームの歪みループ切断の妥協、解像度不足クワッド化、ループ追加、ナイフで流れを再設計
面のねじれ陰影の黒斑、アニメ時の折れ対角が交差、無理なポール配置頂点の再配置、ループの方向転換で修正

最後に、等間隔のエッジフローとクワッド維持を見直し、サブディビジョンのレベルを上げても輪郭が崩れないかをチェックします。ここまで整っていれば、次のスカルプトやリトポロジー、リギング工程に進んでも安定して運用できます。

形状仕上げ スカルプトとリトポロジー

ブロックアウトで全身のシルエットを掴んだら、ここからは形状の「質」を上げる工程です。編集モードのプロポーショナル編集で大きな流れを整え、スカルプトモードでボリュームと面の張りを作り、最後にクリーンな四角面主体のリトポロジーでエッジフローを確定します。仕上げたメッシュは後工程のリギングやウェイトペイント、UV展開、ベイクで差が出ます。この章では破綻しない人体のための安全な調整方法と、リグに強いトポロジーへ落とし込む具体策を、一連の手順として解説します

プロポーショナル編集で自然な肉付け

まずは編集モードでの「面の流れ」と「量感」の微調整です。プロポーショナル編集は頂点群をなめらかに連動させられるため、肩幅や胸郭、骨盤、太もも、ふくらはぎなどの大局的なプロポーション調整に最適です。ブロックアウトで作った均等なループを崩さず、密度と間隔を維持することを優先します。

プロポーショナル編集の基本操作はOキーでON/OFF、ホイールで影響半径の変更、落下オフセットはヘッダーから「スムーズ」「シャープ」「球状」などを選択します。Xミラーはミラーモディファイアーを使い、ClippingをONにしてセンターの貫通を防ぎます。移動はG、法線方向のふくらみ・へこみはAlt+S(ノーマル方向スケール)を使うと自然な肉付けがしやすく、ループの均一性も保ちやすいです。

部位狙い推奨フォールオフと操作注意点
胸郭胸の張りと肋骨の広がりを強調スムーズ+G/Alt+Sで前後に微調整鎖骨周辺のループ間隔が詰まり過ぎないようにする
骨盤骨盤幅と前傾角の調整球状+Rで軽い回転、Gで位置調整股関節の接続ループを歪ませない(面のねじれ回避)
上腕・前腕円断面の維持とひじの張りスムーズ+G、必要に応じてGG(エッジスライド)肘周囲に支持ループを入れすぎない(曲がり代を確保)
大腿・下腿外側の張りと内側の抑えシャープ+Alt+Sで量の差を出す膝頭周りのポールが密集しないようにする

陰影の確認にはオブジェクトのシェードスムーズを有効化し、オブジェクトデータプロパティの法線で「オートスムーズ」を適用しておくと、エッジの読み違いを減らせます。面の向きはオーバーレイの「面の向き」を使うと、法線反転の検出が容易です。強い凹凸が出た箇所は頂点メニューのスムーズ(複数回実行)で均し、ループカット(Ctrl+R)で密度の偏りを整えます。

プロポーショナル編集は「形を足す」のではなく「均整を整える」ために使うと破綻が少なく、後のスカルプトが短時間で決まります

スカルプトでボリュームを整える

全体の流れが決まったらスカルプトモードに切り替え、面の張り、脂肪の乗り、筋肉のつながりを作ります。対称性はXシンメトリをONにし、必要に応じてマスクやフェイスセットで関節ごとに範囲を分けて作業すると効率的です。主に使うブラシはGrab(大きな形の移動)、Smooth(均し)、Inflate(肉付け)、Clay Strips(面を足す)、Crease(エッジの食い込み)、Pinch(締まりの強化)、Flatten/Fill(平坦化と埋め)です。

ブラシ用途コツ代表的な設定
Grabシルエットの修正大きめの半径で一気に動かす強さ中、Falloffスムーズ
Smooth面の均し押しすぎに注意し、短いストロークで繰り返し回数少なめ
Inflate脂肪や筋腹のボリューム出し中心から外へ弱めるストローク強さ弱〜中、Autosmooth少なめ
Clay Strips面の追加と張りの表現交差させず、面の流れに沿って重ねるプレーンオフセット微弱
Crease/Pinch関節や腱の締まり狭い半径でエッジのみ軽く強さ弱、Autosmooth中
Flatten/Fill平坦面や窪みの調整骨の平面部に使用しすぎない方向合わせを意識

高密度化の方法は「ダイナミックトポロジー(Dyntopo)」「ボクセルリメッシュ」「マルチレゾリューションモディファイアー」の三択が中心です。用途に応じて切り替えると効率が上がります。

方式特徴向いているケース注意点
ダイナミックトポロジーブラシに応じて自動細分化細部を描き足しながら形を探る元のトポロジーが崩れる/UV不可
ボクセルリメッシュ体積基準で均一トポロジーに再構成ブロックアウト後の均一化、穴埋め解像度を上げすぎない(重くなる)
マルチレゾリューション段階的なSubdivisionと変位保持ベーストポロジーを保ちながら彫る初期設計が整っていることが前提

推奨の流れは、リメッシュで大まかに均一化し、Clay系とSmoothで張りを作り、必要な部分のみ解像度を局所的に上げて詰めます。視認性はマティキャップとキャビティ表示を活用し、正面・側面の直交視点でシルエットチェックを頻繁に行います。フェイスセットとマスクを併用すれば、関節部を固定しつつ周囲だけ均すといった制御が簡単です。

この段階では皮膚の微細ディテール(毛穴やしわ)は追いません。体の大きな「面の張り」「骨と筋肉の関係」を優先し、破綻要因になりやすい過剰細分化を避けることが、結果的に短時間で美しい人体へ近づく近道です

リトポロジー Shrinkwrapの活用

スカルプトで確定したシルエットを、アニメーションに強い四角面主体のメッシュへ落とし込む工程です。狙いは「関節でしなやかに曲がるループ構造」と「均一で無理のないポリゴン密度」。非破壊的に進めるため、ハイポリ(スカルプトメッシュ)と別オブジェクトでローポリ(リトポメッシュ)を作成し、Shrinkwrapモディファイアーとスナップを組み合わせます。

準備として、リトポ用の新規メッシュを用意し、モディファイアーは上から「Mirror(Clipping ON)→ Shrinkwrap → Subdivision(プレビュー用)」の順に積みます。編集モードではスナップを「面」に設定し、オプションで「個別要素をプロジェクト」「ターゲットへ回転を整列」「背面へのスナップ無効化」を有効にします。これで押し出し(E)、面作成(F)、ポリビルドツールでの面張りが、ハイポリ表面に沿って正確に行えます。

設定項目推奨値・モード目的補足
Shrinkwrap/モードNearest Surface Point最も近い表面へ貼り付けProjectは貫通防止に強いが方向管理が必要
Shrinkwrap/オフセット0.0 付近めり込み・浮きを防ぐシームの泳ぎを防ぎたい場合は0固定
Mirror/ClippingONセンターの貫通防止中心線の頂点は常に直線に保たれる
スナップ/ターゲット整列ON法線方向のズレを抑制面のねじれ防止に有効

実作業は、体幹から始めるとループを安定して敷けます。胸郭の輪郭に沿って四角面を一周させ、肩関節側と骨盤側へとエッジループを伸ばします。肘と膝の手前には一段余裕のある支持ループを確保し、関節の中心には五角点(ポール)が集中しないよう分散させます。股関節と肩関節は球状の回転に対応するため、関節周囲に同心円状の流れを作り、体幹ループとの合流点はT字やNゴンを避けてクワッドで解決します。

編集の小技として、GGでのエッジスライドによりループ間隔を均一化し、K(ナイフ)で必要な場所にカットを追加、不要な密度は溶解(X→溶解)で軽量化します。頂点が密集した箇所は「距離でマージ」で微小な重複を除去。法線はShift+Nで再計算します。Subdivisionは常時プレビューし、たわみやすい箇所(腹部、臀部、上腕三頭筋上、膝裏)で陰影が乱れないかを随時確認します。

センターシームのずれが気になる場合は、中央ループを頂点グループに登録し、Shrinkwrapの頂点グループで除外して直線性を維持します。最終的な面構成のチェックポイントは以下です。

チェック項目合格基準テスト方法
四角面率ほぼ全域がクワッド、三角は限定的選択→選択類似→面辺数で抽出
エッジフロー関節の回転方向に沿ったループ簡易ポーズで曲げ、シワの入り方を見る
密度の均一性急激な密度差がないSubdivision表示で陰影の破綻を確認
法線とスムージング表裏の反転なし、陰影が安定面の向き表示、オートスムーズの確認

リトポロジーは「ハイポリをなぞる作業」ではなく、「変形に耐える設計」を作る工程です。関節ループと密度管理を最優先し、Shrinkwrapとスナップはあくまで形状のガイドとして活用するのがコツです。UVやベイク、リギングに進むまではモディファイアーを適用せず非破壊で保持しておくと、微修正に強いワークフローになります。

手と足のディテール作成

ここではBlenderでの体モデリングの中でも、破綻が出やすい「手」と「足」を丁寧に作り込む手順を解説します。参照画像と解剖学の理解を前提に、四角形ポリゴン(クアッド)を基本としたクリーンなトポロジー、関節に強いエッジフロー、サブディビジョンに耐える支持ループの入れ方を中心に進めます。ミラーとサブディビジョンを併用しながら、必要に応じてプロポーショナル編集やスカルプトでボリュームを整え、最後にリトポロジーで面構成を安定させると扱いやすいです。

手の甲の面構成と指の分割

手は面の流れが顔並みに重要です。手の甲から指に向かうテンションはまっすぐではなく、各指の腱に沿って緩やかに放射します。掌側は親指丘(母指球)と小指丘(小指球)が盛り上がり、中央に浅い谷(掌窩)が走ります。まずは手の甲を整え、掌にボリュームを持たせてから、各指をエクストルードで伸ばすと破綻が少なくなります。

指は「根元の幅を確保→関節の前後に支持ループ→先端へ向けて密度をやや上げる」という順で分割し、常に四角形を維持するのが安定します。ループカットで均等割りを作り、ナイフツールは最小限に留めるとクリーンアップがしやすいです。

骨の節数推奨ループ構成モデリングの要点
親指2節根元周りに環状ループ2〜3本、節間に1本付け根を広めに確保し、爪側へ急激に細くしない。掌側にややフラット面を残す。
人差し指〜小指各3節各関節の前後に支持ループ、根元に追加1本第一関節が最も可動するためループ密度を少し高め、第二関節は控えめに。
共通指ごとに4〜6面断面を維持節ごとの断面は円ではなくやや楕円。甲側は面を張り、掌側は丸める。

指の起点は手の甲の四角形面を4〜5本に分配して確保し、各指の基部へ等幅の島を割り当てます。ブリッジやグリッドフィルを使って指間の水かき(皮膜)を薄く保ち、サブディビジョンで丸くなり過ぎないよう支持ループを水かきの境界に1本追加すると自然です。

親指の付け根の流れ

親指付け根(母指対立の起点)は掌の中で最も複雑なトポロジーになります。五角ポールを甲側の平坦部に逃がし、掌側はループがスムーズに流れるようY字の分岐を作ると、対立運動(内側へ倒す動き)でのシワが綺麗に出ます。

親指の付け根は「掌に1つの環状ループ」「甲側にサポート」「親指根元に周回ループ」で三重に受けると、回転時の面のねじれが抑えられます。関節の回転軸はやや斜め(手首から爪に向けて外旋)なので、エッジループも軸に沿って少し捻って配置すると良いです。

接続時は、手の甲から親指台座へ面をブリッジし、ループ数が合わない場合は甲側の広い面でエッジを追加して合わせます。縮小スケールでのノーマル反転が起きやすい箇所なので、編集後は必ず法線を再計算しておきます。

指先のトポロジーと爪の形状

指先は「腹(指紋の盛り)」「爪甲(爪板)」「側縁(側爪郭)」の三要素を明確に分けると、サブディビジョンでも芯のある造形になります。断面は円ではなく、爪側がやや平らで腹側が丸い非対称楕円が自然です。

爪は別メッシュにせず、まずは一体で作り「爪溝の折れ」を支持ループで作ると、アニメーション時の食い込みや光沢の破綻が抑えられます。あとから必要に応じてインセット→押し出しで薄板化します。

部位形状の要点具体的な操作
爪の付け根甘皮側は緩く、側縁はシャープインセットで爪輪郭を作り、側縁にサポートループを1本追加
腹(指紋側)中央が高く、先端で急に落ちるプロポーショナル編集で滑らかに膨らませ、先端直前に支持ループ
指先の角丸くし過ぎない、面取りは控えめベベルはセグメント少なめ、サブディビジョンで丸める

サブディビジョン使用時は、爪両サイドに平行ループを入れると光のハイライトが通り、プラスチック感を避けられます。UV展開では「指先腹の中央」を縫い目にしないよう、側縁にシームを置くとテクスチャの伸びが減ります。

足首から足指までの作り方

足は「くるぶし(内外顆)」「アキレス腱」「甲の腱」「中足骨の扇状の広がり」を読み解き、接地面と非接地面を明確に分けます。足首は円柱ではなく前後に薄い楕円断面とし、アキレス腱に沿ってエッジを2本走らせると、曲げたときの陰影が綺麗に出ます。

足指は中足骨から扇形に広がるエッジフローを作り、母趾(親指)は専用のループ島として独立させると、歩行ポーズ時のめり込みが起きにくくなります。押し出しで指を作る際、指間の水かきは手より浅く、甲側は張り、足裏側は緩いカーブでまとめます。

構造観察ポイントトポロジー指針
足首内くるぶしが高く外くるぶしが低い上下非対称をループの高低差で表現、腱に沿う2本の支持ループ
足の甲中足骨で緩やかに凸甲中央を稜線としてループを放射、三角は避け五角ポールは甲の平坦部へ
足指母趾は2節、他は3節母趾専用の周回ループ+他4本へ分配、各関節の前後に支持ループ

甲から指への接続は、甲の四角形を5島に分け、母趾の幅を広めに割り当てます。指先の断面は手と同様に非対称楕円とし、爪はインセットで輪郭を作ってから薄く押し出します。足の甲側の腱はスカルプトのクレイストリップで軽く通し、リトポロジーでエッジを整えると短時間で形が決まります。

足裏のアーチと接地面

足裏は「踵」「母趾球」「小趾球」の三点で接地する三脚構造です。土踏まずのアーチは完全に平らにせず、外縁(小趾側)をやや低くして内縁(親指側)を持ち上げると自然なシルエットになります。

接地面は意図的にほぼフラットなポリゴン帯を作り、アーチ側は逐次的な段階カーブで受けると、接地ポーズでもめり込みやガタつきが起きにくいです。編集モードで下方向の頂点を直線化し、必要に応じてシュリンクラップを平面メッシュに当てて均し、最後にサブディビジョン前提の支持ループを足縁に追加します。

部位接地/非接地モデリングのコツ
主要接地丸すぎない扁平楕円、縁に支持ループを2本入れて輪郭を安定
母趾球主要接地母趾側を広めに、前方へ緩くせり上げる。母趾の根元と連続したループで受ける。
小趾球補助接地外縁に沿って細いフラット帯を作り、甲側へ滑らかに遷移
土踏まず非接地内縁を高く、中央を最も高くする。段差ではなく連続面でアーチを作る。

足裏のシームは外縁側に寄せ、土踏まずの高低差に跨がないように配置すると、ベイクやテクスチャペイントで歪みが出にくいです。ノーマルの向きは接地帯で特に乱れやすいので、作業の節目ごとに統一しておきます。

まとめ

Blenderでの体モデリングチュートリアルは、初心者から中級者までを対象に、人間の全身モデルを完成させる流れを体系的に学べる内容です。本チュートリアルのゴールは、正しいプロポーションと美しいトポロジーを持った完成モデルを作り上げ、最終的にレンダリングまで行えることにあります。使用環境はBlender 4系を前提とし、最新機能を活用しながら制作を進めます。まずは参照画像や解剖学の基礎を理解し、正面・側面のガイドを用意します。単位やスケールの確認を行い、基本操作やモディファイアー、ナビゲーションを習得した上でブロックアウトを開始。立方体から全身を組み立て、胴体・腕・脚・頭部を順に形成していきます。その後、エッジフローを意識したトポロジー設計を行い、顔や関節のループ構造を整備。スカルプトで肉付けを施し、Shrinkwrapを用いたリトポロジーで形状を最適化します。
最後に手や足のディテールを仕上げ、自然でリアルな人体モデルを完成させます。本チュートリアルを通じて、効率的かつ正確な体モデリングの流れを習得できるでしょう。

キャラクターの前後のポーズ

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