アニメーション初心者が最初に知るべきこと|2Dと3D、どっちから始める?

2Dアニメーションを制作中の男性

「アニメーションを作ってみたいけど、何から始めればいいか分からない…」そんなふうに感じていませんか?この記事では、アニメーション制作の初心者が最初にやるべきことや、挫折しないためのコツを分かりやすく解説します。多くの人が迷う2Dと3Dの違いについても、それぞれの特徴や向いている人を詳しく紹介。「将来仕事にしたいなら3Dから」「趣味で表現を楽しみたいなら2Dから」というように、あなたの目的に合わせてどちらから始めるべきかがはっきり分かります。この記事を読めば、もう迷うことなく、今日からアニメーション制作の第一歩を踏み出せます。

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目次

アニメーションを始める前に知っておいてほしいこと

「アニメーション制作って、なんだか難しそう…」「絵が上手じゃないとダメなんでしょ?」なんて思っていませんか?実は、アニメーション作りは特別な才能がある人だけのものではありません。これからアニメーションを始めてみたいと考えているあなたが、最初に知っておいてほしい大切な心構えがいくつかあります。これを知っておくだけで、きっと制作のハードルがぐっと下がり、もっと気軽に楽しめるようになります。

センスより大事なもの

アニメーションを作るとき、「絵心」や「センス」が必要不可欠だと思われがちです。でも、初心者にとって、それよりもずっと大切なことがあります。それは「観察力」と「継続する力」、そして何より「好き」という気持ちです。

センスは生まれつきのものではなく、観察力や継続力といった、後からいくらでも伸ばせるスキルの方がずっと大切なんです。多くのプロクリエイターも、最初から完璧だったわけではありません。地道な練習とたくさんの制作を積み重ねて、少しずつ自分のスタイルを確立していったのです。

多くの人が必要だと思いがちなこと実はもっと大事なこと
生まれつきの絵の上手さや才能物がどう動くか、人がどういう表情をするか観察する力
独創的なアイデアを閃く力少しずつでも作り続ける粘り強さ(継続力)
プロ仕様のすごい機材やソフト「動かしてみたい」「作りたい」という探求心や好奇心

日常生活の中で、歩いている人の腕の振り方、ボールが弾むときの潰れ方、風に揺れる木の葉などをじっくり見てみましょう。そうした観察の積み重ねが、あなたの作るアニメーションにリアルな説得力を与えてくれます。まずは「上手く描こう」とするより、「どう動いているか」をよく見ることから始めてみてください。

いきなり完璧を目指さなくていい理由

アニメーション学習を始めたばかりの人が挫折してしまう一番の理由は、最初から完璧な作品を目指してしまうことです。 有名なアニメ映画のような滑らかな動きや、プロが描いたような綺麗なキャラクターをいきなり作ろうとすると、自分の実力とのギャップにがっかりして、作るのが嫌になってしまいます。

大切なのは、まず「最後まで作りきった」という経験を積むことです。たとえそれが、棒人間が歩くだけの短いアニメーションでも、ボールが一つバウンドするだけの動きでもかまいません。 一つの作品を完成させたという小さな成功体験が、次の作品を作るための大きな自信とモチベーションにつながります。

アニメーション制作は、たくさんの失敗から学ぶことが多い作業です。完璧を求めるあまり何も作らないでいるより、不格好でもいいからどんどん作ってみて、「ここが上手くいかなかったな」「次はこうしてみよう」と改善点を見つけていく方が、結果的にずっと早く上達します。焦らず、自分のペースで、まずは「完成させること」だけを目標に楽しんでみましょう。

初心者が最初にやるべき3つのこと

「アニメーションを作ってみたい!」と思っても、何から手をつけていいか分からず、なかなか一歩を踏み出せない人は多いんじゃないでしょうか。大丈夫です、みんな最初は同じ気持ちです。ここでは、そんなアニメーション初心者のあなたが、つまずかずに楽しく学び始められるように、最初にやるべき3つのことを紹介します。このステップを踏めば、きっとスムーズにスタートが切れますよ!

目的を決める(趣味か仕事か)

まず一番最初にやってほしいのが、「何のためにアニメーションを作りたいのか」という目的を決めることです。「趣味として楽しみたい」のか、それとも「副業や本業として仕事にしたい」のか。この目的によって、これから学ぶべきことや、どれくらい時間をかけるべきかが大きく変わってくるんです。

例えば、趣味で好きなキャラクターを動かしてSNSでシェアしたい、という場合なら、難しい技術は後回しにして、とにかく楽しく作品を作るのが一番です。一方で、将来アニメーション業界で働きたい、フリーランスとして稼ぎたいという場合は、基礎となるデッサン力や、プロが使う専門的なソフトのスキルなどを計画的に学んでいく必要があります。

どちらが良いというわけではありません。大切なのは、あなたがアニメーション作りを通して何を得たいのかをハッキリさせることです。下の表を参考に、自分の進みたい方向を考えてみてください。

目的学習の進め方の例目指すゴール(例)
趣味好きなキャラクターを動かしてみる、短いGIFアニメを作ってSNSに投稿する、動画のオープニングを自作する自分の「好き」を表現して楽しむ、友人や仲間と作品を見せ合う
仕事基礎から体系的に学ぶ、業界標準のツールを習得する、ポートフォリオ(作品集)を制作するアニメ制作会社への就職、副業で月5万円稼ぐ、フリーランスとして独立する

ツールは1つだけ選ぶ

アニメーション制作ソフトには、無料のものからプロが使う高価なものまで、本当にたくさんの種類があります。 ここで初心者がやってしまいがちなのが、いろいろなソフトに手を出してしまうこと。「あっちのソフトも良さそう」「こっちの機能も便利そう」と目移りして、結局どれも中途半端なまま挫折…なんてことになりかねません。だからこそ、まずは1つのツールに絞って、その基本操作をしっかり覚えることが上達への一番の近道です。

「じゃあ、どのソフトを選べばいいの?」と迷いますよね。選ぶポイントは、「自分の目的に合っているか」と「日本語の解説やチュートリアルが豊富か」の2つです。特に、解説が多いソフトは、分からないことがあっても調べやすいので、初心者にはすごく心強いですよ。

下の表に代表的なソフトをまとめたので、最初の「相棒」選びの参考にしてみてください。

ツール名種類特徴こんな人におすすめ
Blender3D無料で使えるのに、プロ向けの機能が満載。世界中にユーザーがいるため、学習情報がとても豊富です。コストをかけずに本格的な3Dアニメーションを始めたい人。
CLIP STUDIO PAINT (クリスタ)2Dイラストやマンガ制作ソフトとして大人気ですが、プロ仕様のアニメーション機能も搭載されています。普段からイラストを描いていて、その延長で2Dアニメを作ってみたい人。
After Effects2D/3D映像業界のプロが使う定番ソフト。文字や図形を動かす「モーショングラフィックス」が得意です。将来、映像制作を仕事にしたいと考えている人。

最初は「動かすだけ」でOK

さあ、目的を決めてツールを選んだら、いよいよ制作スタートです!でも、ここで焦ってはいけません。「最初からプロみたいな滑らかなアニメーションを作るぞ!」と意気込むと、理想と現実のギャップに苦しんでしまうかもしれません。 大事なのは、完璧を目指さないこと。「できた!」という小さな成功体験を積み重ねることが、楽しく続けるための何よりの秘訣です。

まずは、とにかく何かを「動かすだけ」でOK。例えば、こんな簡単な課題から始めてみましょう。

  • ボールを弾ませる(バウンシングボール):アニメーション学習の定番課題です。ボールが地面で弾む動きを作るだけで、「重さ」や「弾力性」、「タイミング」といったアニメーションの基本原則を自然と学べます。


  • 四角形を右から左へ動かす:ただ移動させるだけでも、「ゆっくり始まって、ゆっくり止まる」といった緩急をつけるだけで、グッと動きがそれっぽくなります。


  • 画面の外から文字を登場させる:簡単なテキストアニメーションです。SNS用の短い動画などですぐに使えるテクニックですよ。

最初はクオリティなんて気にしなくて大丈夫。自分の手で静止画に命が吹き込まれ、「動いた!」と感じる瞬間のワクワクを大切にしてください。その楽しさが、もっと難しい表現に挑戦するモチベーションにつながっていきます。

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よくある失敗パターン

アニメーションの勉強を始めたばかりの人が、やる気があるのにいつの間にか挫折してしまう…なんてことは、本当によくある話なんです。でも大丈夫、これから紹介する「よくある失敗パターン」を知っておけば、そんな落とし穴を上手に避けられますよ。

教材を集めすぎる

新しいことを始めるときって、ついつい色々な情報が気になりますよね。SNSでおすすめされている本、YouTubeで人気のチュートリアル動画、話題のオンライン講座…。「これも良さそう」「あれもやらなきゃ」と、気づけばたくさんの教材に囲まれていませんか?

実はこれ、挫折への第一歩かもしれません。情報が多すぎると、結局どれから手をつけていいか分からなくなってしまいます。 さらに、教材を読んだり見たりするだけで満足してしまい、肝心な「自分で作ってみる」時間がなくなってしまうんです。 これでは、知識だけが増えてスキルは一向に身につきません。まずは「これだ!」と決めた教材を1つ、最後までやり遂げることを目標にしてみましょう。

難しい作例から始める

プロが作ったような、滑らかでかっこいいアニメーションを見ると、「自分もあんな風に作りたい!」と憧れますよね。その気持ちはすごく大切です。でも、初心者がいきなりプロレベルの複雑なキャラクターや、映画のようなシーンに挑戦するのは、ちょっと待ってください。

自分のスキルレベルに合わない難しい課題は、完成させることができず、達成感を得られません。 それどころか、「自分には才能がないのかも…」と自信をなくして、モチベーションが下がってしまう一番の原因になります。 アニメーション学習で大切なのは、小さな成功体験を積み重ねて「自分にもできる!」という感覚を育てることです。 最初は「ボールが弾む」「箱が左右に動く」といった、ごくごく簡単な動きからで大丈夫。まずは「完成させる楽しさ」を味わうことから始めましょう。

失敗パターンどうしてダメなの?こうすればOK!
教材を集めすぎる情報が多すぎて混乱し、インプットばかりで手を動かせなくなるから。まずは1つの教材やチュートリアルを信じて、最後までやりきってみる。
難しい作例から始める完成できずに挫折しやすく、モチベーションが下がってしまうから。「ボールが弾む」など、簡単な基本動作から始めて「できた!」という成功体験を積む。

まずはこれだけやってみよう

アニメーションの勉強を始めようと思っても、何から手をつけていいか分からなくなってしまいますよね。ここでは、むずかしいことは考えずに、今日中にできる簡単な課題を紹介します。まずは「自分で動かせた!」という小さな成功体験を積んでみましょう。

今日中にできる小さな課題:スマホやPCで挑戦!

今すぐ始められるように、多くの人が持っているスマートフォンやパソコンを使った課題を用意しました。2Dと3D、それぞれの「動かす楽しさ」の入り口を体験してみてください。

種類やること使うツール(例)かかる時間の目安
2Dアニメーションボールが弾む動き(パラパラ漫画)スマホアプリ (FlipaClipなど)30分~1時間
3Dアニメーション立方体が移動する動きPCソフト (Blender)1時間~2時間(インストール込)

2Dアニメーション:パラパラ漫画の要領でボールを弾ませてみよう

2Dアニメーションは、たくさんの絵を連続で表示させる「パラパラ漫画」が基本の仕組みです。まずは、無料で始められるスマホアプリを使って、アニメーションの元祖ともいえるこの原理を体感してみましょう。おすすめは「FlipaClip」というアプリで、直感的な操作ができます。

挑戦する課題は「バウンドするボール」です。これはアニメーションの基本が詰まった練習課題として、プロの世界でも最初に取り組まれることが多いんですよ。

  1. まず、アプリをインストールして、新しいプロジェクトを作成します。
  2. 1枚目の紙(フレーム)に、画面の上の方にボールの絵を描きます。
  3. 「次のフレームを追加」ボタンを押して、2枚目の紙を用意します。1枚目の絵がうっすら見える「オニオンスキン」機能がついているので、それを参考に少しだけ下にずらしてボールを描きましょう。
  4. これを繰り返し、ボールがだんだん下に落ちていく絵を数枚描きます。
  5. 地面に着いたら、今度は少しつぶれた形のボールを描きます(これが「スクワッシュ&ストレッチ」というテクニックの初歩です)。
  6. その後は、逆にだんだん上に跳ね上がっていく絵を描いていきます。
  7. 描き終わったら、再生ボタンを押してみてください。ボールが弾んで見えれば大成功です!

3Dアニメーション:PCソフトで立方体を動かしてみよう

3Dアニメーションは、空間に物体を配置し、その位置や角度を時間と共に変化させて動きを作ります。ここでは、プロも使う高機能な無料ソフト「Blender」を使って、3Dの基本操作である「移動」だけを体験してみましょう。 機能がとても多いソフトですが、今回は本当に触るだけなので安心してください。

Blenderはパソコン用のソフトなので、公式サイトからインストールしておきましょう。

  1. Blenderを起動すると、真ん中に立方体(キューブ)が置いてあります。まずはこれをクリックして選択します。
  2. 画面の下に「タイムライン」という目盛りがついたウィンドウがあります。これが時間軸になります。最初の「1」のフレームにいることを確認します。
  3. キーボードの「G」キーを押すと、立方体を自由に動かせます。まずは動かさずに、キーボードの「I」キーを押し、出てきたメニューから「位置」を選びます。これで「1フレーム目には、この場所にいます」という情報(キーフレーム)が記録されました。
  4. 次に、タイムラインの目盛りを「60」くらいまで進めてみましょう。
  5. 再び「G」キーを押し、続けて「X」キーを押します。すると、赤い線(X軸)に沿ってだけ動かせるようになります。マウスを動かして、立方体を右の方へ移動させてみましょう。
  6. 場所を決めたらクリックで確定し、もう一度「I」キーを押して「位置」を選びます。これで「60フレーム目には、この場所にいます」と記録されました。
  7. 最後にスペースキーを押して再生してみてください。立方体がゆっくりと右に動いていけば成功です!たったこれだけで、3D空間で物体を動かす基本が体験できます。
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2Dと3D、正直どっちから始めるべき?【目的別】

アニメーションを始めようと思った時、多くの人が最初にぶつかるのが「2Dと3D、どっちがいいんだろう?」という悩みです。それぞれに全く違う魅力と特徴があるので、どっちが正解ということはありません。大切なのは、あなたが「何を作りたいか」「どう楽しみたいか」です。ここでは、それぞれの特徴を比べながら、目的別にどっちから始めるのがおすすめかを紹介していきますね。

2Dアニメーションの特徴

2Dアニメーションは、私たちが普段よく目にする日本のテレビアニメのように、平面的(縦と横)な世界で絵を動かして作るアニメーションです。 手描きのイラストが持つ温かみや、作家の個性をダイレクトに表現できるのが大きな魅力です。 最近では、パソコンやタブレットで手軽に作れるソフトも増えていて、初心者でも始めやすくなっています。

メリットデメリット
直感的に始めやすい動きの数だけ絵を描く根気が必要
少ない機材やソフトで始められる一度描いた絵の角度を変えるのが大変
イラストのタッチをそのまま活かせるダイナミックなカメラワークは3Dに比べて難しい

向いている人

とにかく絵を描くのが好きで、自分の描いたキャラクターやイラストを動かしてみたい!という気持ちが強い人にピッタリです。 パラパラ漫画を作るような感覚で、自分の手で命を吹き込む楽しさを味わえます。普段からイラストを描いている人なら、そのスキルを直接活かすことができますよ。

仕事で使われる場面

2Dアニメーションは、テレビアニメやアニメ映画はもちろん、Webサイトの広告、スマートフォンのゲームアプリ、ミュージックビデオなど、本当に幅広い場所で使われています。 特に、キャラクターの感情を豊かに表現したり、ストーリーを分かりやすく伝えたりする場面で活躍しています。

3Dアニメーションの特徴

3Dアニメーションは、奥行きのある立体的な空間(縦・横・高さ)に、粘土で模型を作るようにキャラクターやモノ(モデル)を配置し、それを動かして作ります。 一度モデルを作ってしまえば、色々な角度から見せたり、滑らかな動きをつけたりするのが得意です。 リアルな質感の表現や、まるで本物のカメラで撮影したかのようなダイナミックな映像を作ることができます。

メリットデメリット
一度モデルを作れば使い回しができる覚えることが多い(モデリング、リギング等)
リアルな質感や光の表現が得意高性能なパソコンが必要になる場合がある
カメラアングルを自由に変えられる学習コストが高くなる傾向がある

向いている人

絵を描くことよりも、立体的なモノを作ったり、フィギュアやプラモデルを動かしたりするのが好きな人に向いています。リアルな映像や、迫力のあるアクションシーンを作りたい人、ゲームや映画のVFX(特殊効果)の世界に興味がある人にもおすすめです。

仕事で使われる場面

ゲーム業界ではキャラクターや背景の制作に広く使われています。 また、映画のVFX、建築物の完成予想図(建築ビジュアライゼーション)、医療シミュレーション、自動車のデザインなど、専門的な分野での需要が非常に高いのが特徴です。

目的別おすすめ

ここまで2Dと3Dの特徴を見てきましたが、「じゃあ、自分はどっち?」と悩む人のために、目的別のおすすめをまとめてみました。

副業・仕事にしたい場合

もしアニメーション制作を仕事にしたいと考えているなら、3Dアニメーションのスキルから学ぶのがおすすめです。ゲームや建築、映像業界など幅広い分野で専門的なスキルとして需要が高く、未経験からでも求人を見つけやすい傾向があります。 もちろん2Dアニメーターの仕事もたくさんありますが、特に商業アニメの世界では非常に高い画力が求められることが多いです。 3Dは覚えることが多い分、身につければ大きな武器になりますよ。

趣味・表現を楽しみたい場合

趣味として気軽に始めたい、自分の表現を楽しみたいという場合は、自分の描いた絵を動かす楽しさを直接感じられる2Dアニメーションから始めるのが良いでしょう。 今はiPadなどのタブレットとアプリがあれば、すぐにでも始められます。 もちろん、リアルな質感やダイナミックな動きに魅力を感じるなら、無料の3Dソフトから挑戦してみるのも面白いですよ。

両方やるのはアリ?

「どっちも面白そうだから、両方やりたい!」と思う人もいるかもしれません。もちろん、それは素晴らしいことです。2Dと3D、両方のスキルがあれば表現の幅がぐっと広がります。

順番を間違えなければOK

ただし、いきなり両方を同時に学ぼうとすると、覚えることが多すぎて挫折してしまう可能性が高いです。まずはどちらか一つに絞って、基本的な制作の流れを体験してみましょう。例えば、3Dでモノを動かす基本原則を学んでから2Dに応用したり、逆に2Dで「動き」そのものの楽しさを知ってから3Dの立体的な表現に挑戦したりと、自分に合ったステップを踏むことが大切です。どちらの知識も、もう一方の分野で必ず役に立ちますよ。

3Dアニメーションの特徴

3Dアニメーションは、パソコンの中に作られた「奥行き」のある三次元の仮想空間で、立体的なキャラクターやモノを動かして作るアニメーションのことです。 2Dアニメーションが縦と横の平面で動きを表現するのに対し、3Dアニメーションは縦・横・高さ(奥行き)の3つの軸を持つ空間で、あらゆる角度から被写体をリアルに表現できるのが大きな特徴です。

一度キャラクターなどの立体モデルを作ってしまえば、そのモデルを色々な角度から映したり、繰り返し動かしたりできるので、特定のアングルや動きを何度も描く必要がないというメリットがあります。 そのため、実写では撮影が難しいようなダイナミックなカメラワークも実現しやすいです。

ただし、制作には専門的なソフトを使いこなす必要があり、「モデリング(形を作る)」、「テクスチャリング(色や質感を貼る)」、「リギング(動きの骨組みを入れる)」、「アニメーション(動きをつける)」、「レンダリング(映像として出力する)」といった多くの工程があります。 初心者にとっては覚えることが多く、少し難しく感じるかもしれませんが、無料でありながらプロも使う高機能なソフト「Blender」などもあるので、挑戦しやすい環境は整っています。

項目2Dアニメーション3Dアニメーション
表現空間平面的(縦・横)立体的(縦・横・奥行き)
表現方法1枚1枚絵を描いて動かす立体モデルを動かして撮影(レンダリング)する
得意な表現手描きならではの温かみ、デフォルメされた動きリアルな質感、立体感、ダイナミックなカメラワーク
修正のしやすさ動きの修正は描き直しになることが多いモデルやカメラの位置・角度の修正が比較的しやすい

向いている人

3Dアニメーションの制作は、次のような興味や関心を持っている人に向いています。

  • プラモデルや粘土細工のように、立体的なモノを組み立てたり形作ったりするのが好きな人
  • リアルな質感や光の当たり方など、写実的な表現を追求したい人
  • 人やモノの構造、動きの仕組みを論理的に考えるのが得意な人
  • キャラクターや背景を、いろいろな角度から眺めたり動かしたりして楽しみたい人
  • パソコンでコツコツと地道な作業を続けるのが苦にならない人
  • 新しい技術やソフトの使い方を学ぶことに向上心を持って取り組める人

仕事で使われる場面

3Dアニメーションの技術は、今や様々な業界で欠かせないものになっています。活躍の場はエンターテインメント業界だけにとどまりません。

映画・映像業界

ハリウッド映画のVFX(視覚効果)や、ピクサー作品に代表されるフル3DCGアニメーション映画で広く使われています。 実写とCGを組み合わせることで、現実には不可能な迫力ある映像を作り出しています。

ゲーム業界

ゲームに登場するキャラクターや背景、アイテム、エフェクト(爆発の光など)のほとんどが3Dで作られています。 プレイヤーの操作に合わせてキャラクターがリアルタイムで動くため、没入感のある体験を提供するために不可欠な技術です。

アニメ業界

日本のアニメ制作でも3Dの活用が広がっています。特に、3DCGをあえて手描きのアニメのように見せる「セルルック」という表現方法は、多くのアニメ作品で使われています。 例えば、キャラクターは作画で、メカや背景、大勢のキャラクターが動くシーンなどは3Dで制作し、両方を組み合わせることで、作画の負担を減らしながらも迫力のある映像表現を実現しています。 『鬼滅の刃』の一部シーンなどがその代表例です。

建築・不動産業界

まだ建っていないマンションや商業施設の完成予想図を、ウォークスルー動画(中を歩いているかのような動画)で見せることができます。 これにより、顧客は間取りや空間の広がりを直感的に理解しやすくなります。

その他の業界

その他にも、自動車などの製品デザインのシミュレーション、医療現場での手術のトレーニングや人体の仕組みを可視化する映像、テレビCMやミュージックビデオ、そしてVTuberのアバター制作など、非常に幅広い分野で3Dアニメーションの技術が求められています。

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両方やるのはアリ?

2Dと3D、それぞれの特徴を知ると「どっちも面白そう!」「両方できたらすごいだろうな」と感じますよね。結論から言うと、2Dと3Dの両方を学ぶのはすごく良い挑戦で、あなたの表現の幅を大きく広げてくれます。実際に、プロの現場でも両方のスキルを活かして活躍しているクリエイターはたくさんいます。 ただ、同時に手を出すと情報量が多すぎて混乱し、挫折の原因にもなりかねません。大切なのは、しっかりとした順番でステップアップしていくことです。

順番を間違えなければOK

2Dと3Dを両方学ぶ場合、どちらから手をつけるかによって、スキルの身につき方やできることが変わってきます。ここでは、代表的な2つの学習ルート「2Dから3Dへ」と「3Dから2Dへ」のそれぞれのメリットや特徴を紹介します。自分の性格や作りたいものに合わせて、どちらの道筋が合っているか考えてみましょう。

おすすめルート①:アニメーションの基礎から学ぶ「2D→3D」

まず2Dアニメーションから始めて、作画や動きの基本原則をしっかり身につけてから3Dに挑戦するルートです。特に、絵を描くことが好きな人や、キャラクターを生き生きと動かす「アニメーションさせる」こと自体に興味が強い人におすすめです。2Dで学んだ「タイミング」や「予備動作」といったアニメーションの基礎は、3Dソフトでキャラクターに動きをつける際にもそのまま活かせます。 最初にアニメーションの心地よさの源泉を学ぶことで、ツールが変わっても応用が利く、ブレない実力が身につきます。

おすすめルート②:立体把握を武器にする「3D→2D」

先に3Dから始めて、物の形や構造、空間を立体的に捉える力を養ってから2Dアニメーションに応用するルートです。絵を描くのは少し苦手でも、パソコンでモデルを作ったり、空間を組み立てたりするのが好きな人に向いています。3Dで作ったモデルは、あらゆる角度から見ることができるため、作画が難しいアングルや複雑な構造のメカなどを描く際の、これ以上なく正確な「お手本」になります。 最近流行りの、3DCGをセル画のように見せる「セルルック」という表現技法にも直接つながるスキルです。

学習ルートメリットこんな人におすすめ
2D → 3D
・アニメーションの12原則など、動きの基礎をしっかり学べる。

・作画スキルが3Dのテクスチャ作成やコンセプトアートに活かせる。

・比較的低スペックのPCでも始めやすい。

・絵を描くのが好き、または得意な人。

・キャラクターを魅力的に動かすことに興味がある人。
3D → 2D
・立体把握能力が自然と身につき、2D作画の補助になる。

・複雑なアングルやパースのついた構図に強くなる。

・セルルックなど、現代的なアニメ表現に直結しやすい。

・プラモデルや粘土細工のように、立体物を作るのが好きな人。

・PCの操作やソフトの機能を探求するのが得意な人。

スキルを掛け合わせて表現の幅を広げよう

最終的に2Dと3Dの両方のスキルを身につけると、どちらか一方だけでは難しい、ハイブリッドな作品作りが可能になります。両方の良いところを組み合わせることで、制作を効率化したり、よりユニークで魅力的な表現を生み出したりできるんです。

例えば、次のような制作スタイルが考えられます。

  • キャラクターは2D、背景やメカは3Dで制作
    キャラクターの繊細な表情や温かみは2Dの作画で表現し、描くのが大変な緻密な背景やメカ、車などは3Dで制作する手法です。それぞれの得意分野を活かすことで、クオリティと効率を両立できます。
  • 3Dモデルを下敷きにして2D作画を行う
    3Dでキャラクターのポーズやカメラアングルを決めて、その画像を下敷き(アタリ)にして2Dで清書していく方法です。 これにより、難しいポーズでもデッサンの崩れを気にせず、安定したクオリティの作画がしやすくなります。
  • 3Dソフトの2Dアニメーション機能を使う
    最近では、「Blender」のような無料で高機能な3Dソフトにも「グリースペンシル」という強力な2Dアニメーション機能が搭載されています。 これを使えば、3D空間の中に手描きの2Dアニメーションを直接描くことができ、立体的なカメラワークと手描きの温かみを両立した、新しい映像表現に挑戦できます。

このように、2Dと3Dは対立するものではなく、お互いを補い合い、表現の可能性を広げてくれる関係にあります。まずはどちらか一方をじっくり学び、自信がついたらもう一方にも挑戦してみることで、あなただけのアニメーションスタイルが見つかるはずです。

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