愛猫のしぐさを理解する!【猫の気持ち】が手に取るようにわかるサイン辞典

部屋で猫のジャンプを楽しく見ている男女カップル

愛猫の不思議なしぐさ、「これってどんな気持ちのサインなんだろう?」って、もっと深く知りたくなったこと、ありませんか?この記事を読めば、しっぽや耳、目、鳴き声といった部位別の細かい動きから、甘えたい時、怒っている時、リラックスしている時など、様々な状況での猫の気持ちが手に取るようにわかるようになるんです。「うちの子の気持ち、前よりずっとわかるようになった!」って、たくさんの飼い主さんから喜びの声が届いています。愛猫のサインを見逃さず、もっと絆を深めるためのヒントが満載なので、ぜひチェックしてみてくださいね。

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目次

猫の気持ちはしぐさに表れる 愛猫のサインを見逃さないで

言葉を話せない愛猫たち。でも、彼らはちゃーんと体全体を使って、私たちに色々な気持ちを伝えてくれているんです。「今、何を感じているのかな?」「何か伝えたいことがあるのかな?」そんな疑問も、愛猫のちょっとしたしぐさや行動に注目することで、だんだん分かってくるんですよ。この章では、猫がどうしてしぐさで気持ちを表現するのか、そしてそのサインを読み解くことが、私たちと愛猫の暮らしにとってどれだけ大切なのかをお伝えします。愛猫からのメッセージをしっかりキャッチして、もっともっと仲良くなっちゃいましょう!

なぜ猫はしぐさで気持ちを伝えるの

猫がしぐさで気持ちを伝えるのは、彼らが言葉の代わりに体全体を使ってコミュニケーションをとる動物だからなんです。もともと猫は、単独で狩りをして生活していた動物。だから、仲間同士で細かく意思疎通をする必要は、犬ほどにはなかったんですね。でも、親子や繁殖相手、縄張りの中での他の猫との間では、やっぱり気持ちを伝え合う必要がありました。

そんなとき、声のトーンや体の動き、尻尾や耳の形、ヒゲの向き、瞳孔の大きさといった「ボディランゲージ」が、彼らにとって大切なコミュニケーションツールになったんです。これは、言葉を持たない動物たちが生き抜くために発達させてきた、いわば「本能的」な表現方法なんですよ。私たち人間が表情や声の調子で気持ちを表すのと同じように、猫たちも全身を使って「うれしい!」「こわいよー」「遊んでほしいな」といったさまざまな感情を私たちに一生懸命伝えようとしてくれているんです。

愛猫のしぐさから気持ちを読み取る重要性

愛猫のしぐさから気持ちを読み取ることは、猫ともっと仲良くなるため、そして猫が毎日を快適に過ごせるようにするためにも、とっても大切なんです。具体的にどんな良いことがあるのか、ちょっと見てみましょう。

  • 信頼関係が深まる!: 愛猫が「今こんな気持ちなんだな」と分かってあげられると、猫は「この人は私のことを理解してくれる!」と安心感を覚えます。そうすると、もっと心を開いてくれるようになって、絆がぐーんと深まるんですよ。
  • ストレスや不満を早めにキャッチ!: 猫は我慢強い動物なので、体調が悪かったり、何か嫌なことがあったりしても、ギリギリまで隠そうとすることが多いんです。でも、普段と違うしぐさや行動の変化に気づくことができれば、「もしかして何かあったのかな?」と早めに察知してあげられます。
  • 病気のサインを見逃さない!: いつもと違う鳴き声、食欲がない、元気がない、同じ場所を気にしている…これらは病気のサインかもしれません。日頃から愛猫のしぐさをよく観察することで、こうした小さな変化にも気づきやすくなり、病気の早期発見・早期治療につながることもあるんです。
  • より良いコミュニケーションがとれる!: 愛猫が「遊んでほしいな」というサインを出しているときに、おもちゃで遊んであげたり、「今はそっとしておいてほしいな」というサインのときには、静かに見守ってあげたり。猫の気持ちに合わせた対応をすることで、猫はもっと安心して、あなたとの生活を楽しめるようになるんです。

このように、愛猫のしぐさを理解することは、愛猫の心と体の健康を守り、お互いにとってよりハッピーな関係を築くための第一歩。ぜひ、日々の生活の中で愛猫の小さなサインに目を向けて、その気持ちに寄り添ってあげてくださいね。

部位別 猫のしぐさと気持ち辞典

愛猫が体を使っていろんな気持ちを伝えてくれているって知ってましたか?尻尾や耳、目、鳴き声、それにヒゲや体の動きまで、猫の気持ちを読み解くヒントがいっぱい隠されているんです。ここでは、それぞれの部位が見せるサインと、そこに込められた猫の気持ちを詳しく見ていきましょう。これを読めば、あなたの愛猫の言葉がもっとわかるようになるはずですよ!

尻尾の動きでわかる猫の気持ち

猫の尻尾は、まるで気持ちを表すアンテナみたいに、いろんな感情を表現してくれるんです。ピンと立てたり、振ったり、巻き込んだり…その動き一つ一つに、猫の今の気持ちが隠されています。愛猫の尻尾の動きに注目して、もっと心を通わせてみませんか?

尻尾をピンと立てる しぐさ

猫が尻尾をまっすぐピンと立てている時、それは「うれしい!」「大好き!」っていうポジティブな気持ちのサインなんです。飼い主さんに近づいてくるときや、ごはんの時間、遊んでほしいときなんかによく見られます。子猫が母猫に甘えるときにもするしぐさで、親愛の情や信頼感を表しているんですよ。もし尻尾の先だけを少し曲げているなら、それはさらに親密な挨拶のしるし。安心して心を開いている証拠なんです。

尻尾を振る しぐさ

猫の尻尾の振り方は、犬とはちょっと違っていて、いろんな気持ちを表すんです。ゆっくりと大きく左右に振っているときは、比較的リラックスしていたり、何かに興味を示して「あれは何かな?」と考えていたりする状態。でも、床に叩きつけるようにパタンパタンと激しく振っているときは、イライラしていたり、不満を感じていたりするサインなので、そっとしておいてあげるのがいいかもしれません。また、獲物を見つけて集中しているときや、葛藤しているときにも小刻みに振ることがあります。状況と合わせて判断するのが大切ですね。

尻尾を足の間に巻き込む しぐさ

猫が尻尾をきゅっと足の間に巻き込んでいるのは、「怖いよぉ」「不安だなぁ」という気持ちの表れ。何かにおびえていたり、自信がないときに自分を小さく見せようとしてこのしぐさをするんです。雷の音や知らない人が来たとき、他の猫に威嚇されたときなどに見られます。こんな時は、無理強いせず、安心できる静かな場所を提供してあげるといいでしょう。優しく声をかけてあげるのも効果的ですよ。

猫がベッドに飛びついている

尻尾をだらんと下げる しぐさ

尻尾が力なくだらーんと下がっているときは、元気がなかったり、しょんぼりしていたり、あるいは体調が優れないサインかもしれません。何かにがっかりしたときや、退屈しているときにも見られます。ただ、リラックスしているときや、単に落ち着いている状態でも尻尾を下げていることがあるので、他のしぐさや表情、食欲や元気の有無などと合わせて総合的に判断することが大切です。いつもと様子が違うなと感じたら、気にかけてあげてくださいね。

尻尾の毛を逆立てる しぐさ

猫が尻尾全体の毛をブワッと逆立てて太くしているのは、「怒ってるぞ!」「すごく怖い!」という強い感情のサインです。まるでタヌキの尻尾みたいになることから、「タヌキ尻尾」なんて呼ばれることもあります。これは、自分を大きく見せて相手を威嚇したり、恐怖心から身を守ろうとしたりする本能的な行動なんです。こんなときは、猫が非常に興奮しているので、刺激しないようにそっとしておくのが一番。無理に近づいたり触ろうとしたりするのは避けましょう。

耳の動きでわかる猫の気持ち

猫の耳は、音を聞くだけじゃなくて、気持ちを伝える大切なパーツ。ピクピク動かしたり、ピンと立てたり、ぺたんと伏せたりすることで、猫の今の気分や周りの状況への関心度がわかるんです。愛猫の耳の動きに注目すれば、もっと気持ちが通じ合えるかもしれませんよ。

耳をピンと立てる しぐさ

猫が耳をピンと前や横に向けて立てているのは、何かに注意を集中させているサイン。「あれは何の音だろう?」「何か面白いものがあるかな?」と、興味津々な状態なんです。物音がした方向や、気になるものがある方向に耳が向くことが多いですね。リラックスしているときでも、周囲の状況を把握するために耳を立てていることもあります。好奇心旺盛な猫ちゃんによく見られるしぐさです。

耳を横に寝かせるイカ耳の しぐさ

耳が横に倒れて、まるで戦闘機の翼のように見えることから「イカ耳」と呼ばれるこのしぐさ。これは、猫がちょっとイライラしていたり、不機嫌だったり、不安や警戒心を感じているサインなんです。「なんだか気に入らないなぁ」「ちょっと怖いかも…」と思っているときに見られます。攻撃的になる一歩手前のこともあるので、イカ耳のときは無理に構わず、そっとしておいてあげるのがいいかもしれませんね。

耳を後ろに伏せる しぐさ

猫が耳をぺたんと後ろに伏せているのは、強い恐怖やストレスを感じているとき、あるいは服従心を示しているサインです。「もう降参です」「怖いからいじめないで」という気持ちの表れ。喧嘩で負けそうなときや、叱られているときなどに見られます。また、攻撃態勢に入るときにも耳を伏せることがあるので、他のしぐさと合わせて判断が必要です。いずれにしても、猫が強いプレッシャーを感じている状態なので、安心させてあげることが大切です。

耳をピクピク動かす しぐさ

猫の耳が小刻みにピクピクと動いているのは、周囲の音を注意深く聞き取ろうとしているサイン。「何か音がするぞ」「どこからだろう?」と、情報収集に余念がない状態です。リラックスしてうとうとしているように見えても、耳だけはしっかりと働いていて、わずかな物音も聞き逃さないようにしています。これは猫の優れた聴覚の証でもあり、常に周りの状況を把握しようとする習性からくるしぐさなんですよ。

目の変化でわかる猫の気持ち

「目は口ほどに物を言う」と言いますが、猫の目もいろんな気持ちを伝えてくれるんです。瞳孔の大きさやまばたきの仕方、視線の送り方で、猫が今どんな気分なのか、何に注目しているのかがわかります。愛猫の澄んだ瞳を見つめて、心の声を聞いてみましょう。

瞳孔が開いている しぐさ

猫の黒目がまん丸く、瞳孔が大きく開いているときは、いくつかの理由が考えられます。まず、暗い場所にいるとき。光をたくさん取り込もうとして瞳孔が開きます。また、何かにびっくりしたり、おもちゃで遊んで興奮したりしているときも瞳孔が大きく開きます。「わくわく!」「楽しい!」というポジティブな感情の表れですね。ただし、恐怖や不安を感じているときも瞳孔が開くことがあるので、他のしぐさや状況と合わせて判断することが大切です。

瞳孔が細くなっている しぐさ

猫の瞳孔が縦に細長く針のようになっているのは、明るい場所にいるときや、リラックスして満足しているサイン。「まぶしいな」「気持ちいいな~」と感じているときに見られます。日向ぼっこをしているときや、飼い主さんに撫でられてうっとりしているときなど、安心しきっている状態です。また、獲物を狙って集中しているときにも、対象物にピントを合わせるために瞳孔が細くなることがあります。この場合は、リラックスとは違う緊張感を伴いますね。

ゆっくりとまばたきをする しぐさ

猫があなたの目を見て、ゆっくりとまばたきをしてくれるのは、最大の愛情表現であり、信頼の証なんです。「大好きだよ」「安心しているよ」という気持ちを伝えてくれています。これは「猫のキス」とも呼ばれる行動で、敵意がないことを示すサインでもあります。もし愛猫がゆっくりまばたきをしてくれたら、あなたも同じようにゆっくりまばたきを返してあげると、猫はあなたの愛情を感じてさらに安心してくれますよ。

じっと見つめてくる しぐさ

愛猫があなたのことをじーっと見つめてくるとき、それは何かを要求しているサインかもしれません。「お腹すいたよ」「遊んでほしいな」「ドアを開けて」など、伝えたいことがあるんです。また、単にあなたに興味があって観察している場合もあります。ただし、威嚇や警戒の意味で見つめてくることもあるので、その場合は耳がイカ耳になっていたり、体がこわばっていたりするなど、他のサインも見られるはず。愛情を込めて見つめ返して、何を求めているのか察してあげましょう。

鳴き声でわかる猫の気持ち

猫の「ニャー」という鳴き声、実は一言では片付けられないくらいたくさんの種類と意味があるんです。声の高さや長さ、強さによって、猫が何を伝えようとしているのかがわかります。愛猫の鳴き声に耳を澄ませて、その気持ちをキャッチしてあげましょう。

短くニャッと鳴く しぐさ

猫が「ニャッ」と短く鳴くのは、軽い挨拶や返事、ちょっとした呼びかけのサイン。「やあ!」「なあに?」といった感じで、親しみを込めて鳴いています。飼い主さんが名前を呼んだときに返事として鳴いたり、部屋に入ってきたときに挨拶として鳴いたりします。また、何かを軽く要求しているとき、例えば「ちょっと撫でて」とか「おやつちょうだい」といった場合にも、この短い鳴き声を使うことがあります。

長くニャーンと鳴く しぐさ

猫が「ニャーン」「ミャーン」と長く伸ばして鳴くときは、何かを強く要求していたり、不満を訴えていたりするサイン。「お腹がすごく空いた!」「もっとかまってほしい!」「ドアを開けて!」など、はっきりとした意思表示です。また、不安なときや寂しいとき、助けを求めるときにも長く鳴くことがあります。この鳴き声が続くときは、何に困っているのか、何を求めているのかを注意深く観察して対応してあげましょう。

カゴのに入っている猫が2匹

ゴロゴロと喉を鳴らす しぐさ

猫が喉を「ゴロゴロゴロ…」と鳴らす音は、一般的に満足しているときやリラックスしているときのサインとして知られていますね。飼い主さんに撫でられているときや、日向ぼっこをしているときなど、心地よい状況でよく聞かれます。子猫が母猫のお乳を飲んでいるときにもゴロゴロ鳴らすので、安心感や甘えたい気持ちの表れでもあります。ただし、稀に体調が悪いときや強い痛みを感じているときに、自分を落ち着かせるためにゴロゴロ鳴らすこともあるので、他の様子と合わせて判断することが大切です。

シャーやフーと威嚇する しぐさ

猫が「シャーッ!」や「フーッ!」という声を出すのは、強い怒りや恐怖を感じて、相手を威嚇しているサインです。「あっちへ行け!」「近づくな!」という強い拒絶のメッセージ。自分の身を守るためや、テリトリーを守るために、これ以上近づくと攻撃するぞ、という最終警告のようなものです。こんなときは猫が非常に興奮しているので、無理に近づいたり刺激したりせず、落ち着くまでそっとしておくのが賢明です。

サイレントニャーの しぐさ

口は「ニャー」と言うように開けているのに、声が出ていないか、ごくかすかな音しか聞こえない「サイレントニャー」。これは、主に甘えたいときや何かを要求しているときに見られる、とっても可愛いしぐさなんです。子猫が母猫に甘えるときにする行動の名残とも言われていて、成猫になっても飼い主さんに対してこのしぐさを見せることがあります。「ねえねえ、こっち向いて」「お願いがあるの」といった、控えめながらも強いアピールなんですよ。

ヒゲの動きでわかる猫の気持ち

猫のヒゲは、ただの飾りじゃなくて、とっても大切な感覚器。狭い場所を通れるか測ったり、空気の流れを感じ取ったりするのに役立っていますが、実は気持ちを表すバロメーターでもあるんです。ヒゲの向きや角度で、猫の今の気分がわかるんですよ。

ヒゲが前に向いている しぐさ

猫のヒゲがピンと前方に突き出されているときは、何かに強い興味を示していたり、興奮していたりするサイン。「あれは何だろう?」「もっとよく知りたい!」と、対象物に集中している状態です。おもちゃで遊んでいるときや、獲物を見つけたとき、新しいものや匂いをかいでいるときなどに見られます。ヒゲを前に向けることで、より多くの情報を集めようとしているんですね。好奇心旺盛な猫の活発な一面です。

ヒゲが横に広がっている しぐさ

猫のヒゲが自然に横に広がっている状態は、リラックスしていて平常心を保っているサイン。「特に何もないよ」「落ち着いているよ」という、穏やかな気持ちを表しています。普段、くつろいでいるときや、のんびりしているときによく見られるヒゲの形です。この状態のときは、猫が安心していて、周りの環境に満足している証拠。穏やかな表情と合わせて、猫の平和な時間を邪魔しないようにしましょう。

ヒゲが後ろに反っている しぐさ

猫のヒゲが顔に沿うようにピタッと後ろに反っているのは、恐怖や不安、警戒心、あるいは怒りを感じているサイン。「怖いよ」「嫌だな」「怒ってるぞ」というネガティブな感情の表れです。自分を小さく見せようとしたり、顔を保護しようとしたりする本能的な行動と考えられます。他の猫とのケンカの際や、何か嫌なことをされそうになったときなどに見られます。こんなときは、猫がストレスを感じている可能性が高いので、原因を取り除いてあげたり、そっとしておいてあげたりするのが大切です。

体の動きや姿勢でわかる猫の気持ち

猫は体全体を使って、いろんな気持ちを表現してくれます。すりすり寄ってきたり、お腹を見せたり、ふみふみしたり…。そんな愛らしいしぐさの一つ一つに、猫の素直な気持ちが込められているんです。ここでは、猫が見せる様々な体の動きや姿勢から、その心を読み解いていきましょう。

体をすりすりする しぐさ

猫が人の足や家具に体をすりすりするのは、愛情表現であり、マーキング行動の一つなんです。「大好きだよ!」「これは私のもの!」という気持ちを伝えています。猫の顔や体の側面には臭腺があって、そこから出る自分の匂いをこすりつけることで、安心したり、縄張りを主張したりするんです。飼い主さんにすりすりしてくるときは、甘えたい気持ちや、何かを要求している場合もあります。愛情を込めて撫でてあげると、猫はとっても喜びますよ。

お腹を見せるヘソ天の しぐさ

猫が仰向けになってお腹を無防備に見せる「ヘソ天」ポーズは、絶対的な信頼と安心感の表れ。「あなたを完全に信頼しているよ」「ここは安全だね」という気持ちのサインです。お腹は猫にとって急所なので、それを見せるということは、相手に対して全く警戒していない証拠。飼い主さんの前でこのポーズを見せてくれたら、それは最高の「大好き」のサインかもしれません。ただし、お腹を撫でられるのを嫌がる猫もいるので、様子を見ながら触ってあげましょう。

前足をふみふみする しぐさ

猫が前足を交互にリズミカルにふみふみするしぐさは、子猫が母猫のお乳を飲むときにする行動の名残で、安心感や満足感、甘えたい気持ちの表れなんです。柔らかい毛布や飼い主さんのお腹の上などで、うっとりとした表情でふみふみしているのをよく見かけますね。この行動をしているときは、猫がとてもリラックスしていて、幸せな気分に浸っている証拠。邪魔せずに、そっと見守ってあげましょう。

香箱座りをする しぐさ

猫が前足を胸の下にしまい込んで、まるで香箱のようにちょこんと座る「香箱座り」。これは、猫がリラックスしていて、安心している状態を示しています。すぐに動けない体勢なので、猫が本当に安全だと感じている場所でしかこの座り方はしません。穏やかな表情で香箱座りをしていたら、「今はとっても落ち着いてるよ」というサイン。邪魔せずに、その平和な時間を尊重してあげましょう。

背中を丸めて毛を逆立てる しぐさ

猫が背中を弓なりに丸めて、全身の毛を逆立てるのは、強い威嚇や恐怖を感じているサインです。「これ以上近づくな!」「僕はこんなに大きいんだぞ!」と、自分を大きく見せて相手を追い払おうとしています。尻尾も太くなっていることが多いですね。この状態の猫は非常に興奮しているので、刺激しないように注意が必要です。無理に近づいたり、なだめようとしたりせず、落ち着くのを待ちましょう。

低い姿勢で忍び寄る しぐさ

猫が体を低くして、そーっと獲物に忍び寄るような姿勢を見せるとき、それは狩猟本能が働いているサインです。おもちゃや虫など、何か興味を引くものを見つけて、「捕まえたい!」と集中している状態。遊びの延長で見せることも多く、この後、お尻をフリフリさせてから飛びかかることもあります。また、警戒しているときや、何かを探っているときにもこの姿勢をとることがあります。猫の真剣な一面が見られるしぐさですね。

顔を洗う しぐさの意味

猫が前足を使って丁寧に顔を洗うしぐさは、食後の満足感やリラックスしているときによく見られます。「ごはん美味しかったな」「すっきりした」という気持ちの表れ。また、緊張したり、何か嫌なことがあった後に、気分を切り替えたり、自分を落ち着かせたりするために顔を洗うこともあります。これを「転位行動」と呼びます。単に身だしなみを整えているだけでなく、猫の心理状態も反映しているんですね。

爪とぎをする しぐさの意味

猫がバリバリと爪とぎをするのは、いくつかの大切な意味があります。まずは、古い爪の層を剥がして、常に鋭い状態に保つためのお手入れ。そして、足の裏にある臭腺からの匂いと、爪の跡でマーキング(縄張り主張)をするため。さらに、ストレス解消や、気分転換、飼い主さんへのアピール(「見て見て!」「遊んで!」など)といった意味も込められています。爪とぎは猫にとって本能的で重要な行動なので、専用の爪とぎ器を用意して、思う存分させてあげましょう。

愛猫が見せる様々な気持ちのサイン

猫ちゃんは、言葉を話せない代わりに、体全体を使って私たちにたくさんの気持ちを伝えてくれています。ここでは、愛猫が日常で見せる様々な気持ちのサインを、具体的なしぐさと一緒にご紹介します。これらのサインを読み解くことで、愛猫との絆がもっと深まるはずですよ。

甘えたいときの猫のしぐさと気持ち

猫ちゃんが「甘えたいな」「構ってほしいな」と思っているときは、とっても分かりやすいサインを出してくれることが多いんです。その可愛らしいアピールを見逃さず、たっぷり愛情を注いであげましょう。

代表的なしぐさ猫の気持ち・考えられること
体をスリスリしてくる「大好き!」「あなたは私のもの」という愛情表現やマーキング行動なんです。自分の匂いをつけることで安心感を覚え、飼い主さんへの親愛の情を示しています。
喉をゴロゴロ鳴らしながら近づく「撫でてほしいな」「一緒にいたいな」という甘えのサイン。この時のゴロゴロ音は、聞いているこちらも幸せな気持ちになりますよね。要求がある時にもこの音を出すことがあります。
飼い主さんの後をついてくる「どこ行くの?」「一緒にいたい!」という気持ちの表れ。飼い主さんへの信頼と好奇心からくる行動で、何か楽しいことが始まるかもしれないと期待しているのかもしれません。
膝の上に乗ってくる・お腹の上に乗ってくる飼い主さんを安全で心地よい場所だと認識し、心からリラックスして甘えている証拠。温もりを感じながら、安心してくつろぎたいんですね。
前足で軽くちょいちょいしてくる「ねえねえ、こっち向いて!」「遊んでほしいな」と注意を引きたいとき。何かを要求しているサインなので、優しく応えてあげましょう。
お腹を見せてゴロンと転がる(ヘソ天)絶対的な信頼と安心感を示し、「撫でてほしいな」「もっと構って」と甘えているサイン。ただし、猫によっては触られるのは嫌がる子もいるので、様子を見ながら接しましょう。

これらのしぐさが見られたら、優しく声をかけたり、猫ちゃんが喜ぶ場所を撫でてあげたりすると、とても満足してくれるでしょう。愛猫の甘えたい気持ちに応えて、さらに愛情を深めてくださいね。

リラックスしているときの猫のしぐさと気持ち

猫ちゃんが心からくつろいでいる姿は、見ている私たちも癒やされますよね。リラックスしているときのサインを知っておけば、愛猫が快適に過ごせているかどうかの目安にもなります。

代表的なしぐさ猫の気持ち・考えられること
香箱座りをしている前足をきちんと折りたたんで座るこの姿勢は、すぐに動けない体勢なので、安心しきっている証拠。穏やかで満ち足りた気持ちでいることが多いです。
体を伸ばして横になっている、または仰向け(ヘソ天)で寝ている無防備な姿で寝ているのは、周囲の環境を安全だと感じ、完全にリラックスしているサイン。特にヘソ天は、急所であるお腹を見せているので、最大限の安心感を表しています。
ゆっくりとしたまばたきをする猫にとっての「投げキッス」とも言われ、親愛や信頼、リラックスしている気持ちの表れ。飼い主さんに向けてしてきたら、同じようにゆっくりまばたきを返してあげると喜ぶかもしれません。
喉をゴロゴロ鳴らしている(低い音で安定している)満足感や幸福感を感じているときに出る音。撫でられているときや、日向ぼっこをしているときなど、心地よい状況でよく聞かれます。
穏やかな表情で目を細めている緊張感がなく、穏やかで満たされた気持ちでいるときに見せる表情。見ているこちらも優しい気持ちになりますね。
ヒゲが自然に横向きかやや下向きになっている緊張や興奮がなく、平常心でリラックスしている状態を示しています。ヒゲの向きは感情のバロメーターなんですよ。

愛猫がこれらのリラックスサインを見せてくれたら、それは今の環境に満足してくれている証拠です。邪魔をせず、そっと見守ってあげるのが一番ですね。

遊びたいときの猫のしぐさと気持ち

好奇心旺盛な猫ちゃんは、遊びを通して心と体の健康を保っています。「遊ぼうよ!」というサインを見逃さずに、一緒に楽しい時間を過ごしてあげましょう。

代表的なしぐさ猫の気持ち・考えられること
おもちゃを咥えて持ってくる「これで遊んで!」「一緒に遊ぼうよ!」という直接的なお誘いのサイン。一番わかりやすい遊びの催促ですね。
飼い主さんの足元や手じゃれてくる遊び相手になってほしくて、ちょっかいを出しているんです。エネルギーが有り余っているのかもしれません。
瞳孔が丸く大きくなり、一点を集中して見つめる獲物(おもちゃなど)に狙いを定め、狩猟本能がオンになっている状態。遊びに夢中になっている証拠です。
尻尾をピンと立てて、毛先をピクピク動かすワクワクしていたり、何かに興味津々だったりするときのサイン。遊びたい気持ちが高まっていることが多いです。
短い声で「ニャッ」「カカカッ」と鳴く興奮したり、遊びに誘ったりするときに出る鳴き声。「カカカッ」というクラッキングは、獲物を見つけたけれど捕まえられない時などにも見られます。
低い姿勢で何かを狙っている(ハンティングポーズ)遊びのスイッチが入り、狩りの体勢に入っているサイン。お尻をフリフリしていたら、飛びかかる寸前かもしれません。

猫ちゃんが遊びたがっているときは、お気に入りのおもちゃで運動させてあげましょう。適度な遊びはストレス解消にもつながり、愛猫とのコミュニケーションを深める絶好の機会ですよ。

不安や恐怖を感じているときの猫のしぐさと気持ち

猫は繊細な動物なので、些細なことでも不安や恐怖を感じることがあります。そんなときのサインを早めに察知して、安心させてあげることが大切です。

代表的なしぐさ猫の気持ち・考えられること
耳を横に寝かせる(イカ耳)不安、警戒、不快感、軽い恐怖を感じているサイン。状況によっては攻撃的になる前触れのこともあります。
尻尾を足の間に巻き込む、または体にぴったりと巻き付ける恐怖や強い不安を感じ、自分を小さく見せようとしているときの行動です。自信のなさの表れでもあります。
低い姿勢でうずくまる、または隠れて出てこない身の危険を感じ、安全な場所に避難しようとしている状態。何かに怯えている可能性が高いです。
瞳孔が大きく開いている(リラックス時とは異なる緊張感がある)恐怖や驚き、強い警戒心から瞳孔が散大している状態。周囲の情報を少しでも多く取り入れようとしています。
ヒゲが後ろに反っている、または顔に張り付いている緊張や恐怖を感じ、顔を小さく見せようとしていると考えられます。
体を震わせる強い恐怖やストレス、または寒さを感じている可能性があります。病気のサインであることも。
シャーと威嚇する、またはフーッと息を吐く恐怖や不安が限界に達し、相手を追い払おうとしている威嚇行動。これ以上近づかないで、という強いメッセージです。

愛猫がこれらのサインを見せたら、まずは何が原因で不安や恐怖を感じているのかを探り、その原因を取り除いてあげることが重要です。そして、優しく声をかけ、安心できる環境を整えてあげてくださいね。

怒っているときの猫のしぐさと気持ち

猫ちゃんも、嫌なことや不快なことがあると怒ります。怒りのサインは比較的わかりやすいものが多いですが、エスカレートする前に気づいて対処してあげたいですね。

代表的なしぐさ猫の気持ち・考えられること
耳を後ろに伏せる、または横に強く倒す(イカ耳よりも強い形)強い不満や怒り、攻撃寸前のサイン。顔つきも険しくなっていることが多いです。
尻尾をバタンバタンと床に叩きつける、または小刻みに激しく振るイライラや不快感、怒りが高まっている状態。我慢の限界が近いかもしれません。
「シャー!」「フー!」と唸り声をあげて威嚇する明確な怒りと拒絶の意思表示。「近づくな!」「あっちへ行け!」という強い警告です。
歯をむき出しにする強い怒りや威嚇のサインで、攻撃に移る可能性も考えられます。非常に興奮している状態です。
瞳孔が細くなる(ただし、明るい場所でリラックスしている時とは異なる、緊張した表情)集中して相手を睨みつけ、攻撃のタイミングを計っているときなどに見られます。怒りの感情と結びついていることがあります。
毛を逆立てる(特に背中や尻尾)自分を大きく見せて相手を威嚇し、怒りを表現している状態です。恐怖と同時に怒りを感じている場合もあります。

猫が怒っているときは、無理に近づいたり構ったりせず、まずはそっとしておくのが賢明です。何に対して怒っているのか原因を探り、猫ちゃんが落ち着けるように環境を整えてあげましょう。しつこくすると、引っかかれたり噛まれたりする可能性もあるので注意が必要です。

警戒しているときの猫のしぐさと気持ち

猫は元々警戒心の強い動物です。見慣れないものや聞き慣れない音、初めて会う人などに対しては、まず警戒モードに入ることがよくあります。

代表的なしぐさ猫の気持ち・考えられること
耳をピンと立てて、様々な方向に動かす周囲の音や気配を敏感に察知しようと、アンテナを張っている状態。何かに気づき、注意を向けています。
一点をじっと見つめる気になる対象を注意深く観察し、状況を把握しようとしているサイン。次にどう行動するか考えているのかもしれません。
低い姿勢をとり、いつでも動けるようにしている不測の事態に備え、すぐに逃げたり反撃したりできるように警戒している体勢です。「忍び足」でそっと近づくことも。
尻尾がだらんと下がり気味、または軽く左右に振れる緊張感や警戒心があり、状況をうかがっているときに見られます。強い恐怖や怒りとは異なり、まだ様子見の段階です。
ヒゲが前方にピンと張っている周囲の情報をより多く集めようと、感覚を研ぎ澄ませている状態。特に未知の対象に対して見られます。
ゆっくりと慎重に動く相手を刺激しないように、また危険がないか確認しながら行動しているサイン。

愛猫が警戒している様子を見せたら、無理強いは禁物です。猫ちゃんが安心できるまで時間を与え、安全な場所からゆっくりと慣れてもらうようにしましょう。大きな音を立てたり、急に動いたりするのは避けてくださいね。

満足しているときの猫のしぐさと気持ち

ごはんの後、日向ぼっこ中、撫でられているときなど、猫ちゃんが「あ~幸せ!」と感じている瞬間はたくさんあります。その満足げな表情やしぐさは、飼い主さんにとって何よりの喜びですよね。

代表的なしぐさ猫の気持ち・考えられること
喉をゴロゴロと大きく、または静かに鳴らしている心地よさや幸福感の表れで、最も代表的な満足のサイン。撫でられているときや、お気に入りの場所でくつろいでいるときによく聞かれます。
目を細めてうっとりとした表情をする心からリラックスし、満ち足りた気持ちでいるときの表情。見ているだけで癒やされますね。
前足でふみふみする( kneading / ニーディング)子猫が母猫のお乳を飲むときの名残で、安心感や満足感、甘えたい気持ちの表れ。毛布や飼い主さんのお腹など、柔らかい場所ですることが多いです。
ゆっくりとした仕草で毛づくろいをする食後やリラックスしているときなど、落ち着いて満足している状態で行います。ただし、過度な毛づくろいはストレスサインの可能性もあるので注意が必要です。
飼い主さんに体をすり寄せたり、軽く頭突き(ヘッドバンプ)をしたりする親愛の情や満足感を示し、「ありがとう」「大好き」という気持ちを伝えていると考えられます。信頼している相手にしか見せない行動です。
香箱座りや伸びをしてリラックスしている安心しきって、心身ともに満たされている状態。特に食後などにこの姿が見られると、ごはんにも満足してくれたのかな、とうれしくなりますね。

愛猫が満足しているサインを見せてくれたら、それは飼い主さんの愛情がしっかり伝わっている証拠です。これからも愛猫が安心して幸せに暮らせるように、心地よい環境を整えてあげましょう。

猫が2匹揃って上の同じ方向を見ている

注意したい愛猫のしぐさ 病気やストレスのサインかも

いつも元気いっぱいの愛猫ちゃんでも、時には体調を崩したり、ストレスを感じたりすることがあります。言葉を話せない猫たちは、しぐさや行動の変化で私たちにサインを送ってくれています。ここでは、見逃したくない病気やストレスの可能性がある要注意なしぐさについて、詳しく見ていきましょう。「いつもと何か違うな」と感じたら、それは愛猫ちゃんからの大切なメッセージかもしれません。

いつもと違う鳴き声や行動

愛猫ちゃんの鳴き声や行動に変化が見られたら、それは心や体の不調を訴えているサインかもしれません。普段との違いに気づけるよう、日頃からよく観察することが大切ですよ。

具体的にどんな変化に注意すべきか、いくつか例を挙げてみましょう。

変化の種類具体的な例考えられること飼い主さんができること
鳴き声
  • いつもより声が小さい、かすれている
  • 苦しそう、うめくような声
  • 甲高い声で鳴き続ける
  • しつこく、要求するように鳴く
  • まったく鳴かなくなる
痛み、苦痛、不安、恐怖、ストレス、認知症の初期症状(高齢猫の場合)、甲状腺機能亢進症などどんな時に、どんな声で鳴いているか、他に変わった様子はないかを注意深く観察しましょう。動画で記録しておくと、動物病院で獣医師さんに説明しやすくなります。
行動
  • 急に攻撃的になった、威嚇するようになった
  • 飼い主さんや他のペットを避けるようになった
  • 落ち着きがなく、同じ場所をウロウロする
  • 一点をぼーっと見つめていることが増えた
  • 急に甘えん坊になったり、逆にそっけなくなったりする
  • 狭い場所や暗い場所に隠れて出てこようとしない(次の項目で詳述)
痛み、不快感、ストレス、不安、恐怖、環境の変化への不適応、病気による性格の変化、神経系の異常など生活環境に何か変化はなかったか、愛猫ちゃんがストレスを感じるような出来事はなかったかを振り返ってみましょう。無理に構わず、そっと見守り、安心できる環境を整えてあげることが大切です。

これらの変化が一時的なものではなく、数日間続くようであれば、迷わず動物病院を受診しましょう。獣医師さんに相談することで、原因を特定し、適切な対応をとることができますよ。

食欲不振や元気がないときの しぐさ

「最近、なんだか食欲がないみたい…」「前みたいに遊ばなくなったな…」と感じたら、それは愛猫ちゃんの体調不良のサインかもしれません。食欲と元気は、猫の健康状態を知るための大切なバロメーターです。

具体的には、以下のようなしぐさや状態に注意してください。

  • ごはんを全く食べない、または食べる量が明らかに減った
  • 大好きだったおやつにも興味を示さない
  • 水を飲む量が極端に増えたり減ったりした
  • ぐったりしていて、寝てばかりいる
  • 呼んでも反応が薄い、または隠れて出てこない
  • お気に入りのおもちゃで誘っても遊ぼうとしない
  • 毛づくろいをしなくなった、毛並みが悪くなった
  • 嘔吐や下痢を繰り返す
  • 体重が急に減ってきた

これらの症状が見られる場合、消化器系の病気(胃腸炎、膵炎など)、感染症、腎臓病、肝臓病、口内炎や歯周病による痛み、あるいはストレスなど、様々な原因が考えられます。特に子猫や高齢猫の場合、食欲不振や元気消失は急速に状態が悪化することもあるため、注意が必要です。

食欲不振や元気がない状態が24時間以上続く場合は、自己判断せずに、できるだけ早く動物病院で診察を受けてください。その際、いつから症状が出ているか、他に変わったことはないかなどを獣医師さんに詳しく伝えられるようにしておくと、診断の助けになります。

過度な毛づくろいや脱毛

猫ちゃんにとって毛づくろいは大切な日課ですが、あまりにも頻繁に、あるいは特定の場所だけを執拗に舐め続けたり、毛を噛みちぎったりするのは注意が必要なサインです。このような行動は「過剰グルーミング」と呼ばれ、心や体に問題を抱えている可能性があります。

過度な毛づくろいによって、以下のような状態が見られることがあります。

  • 特定の場所の毛が薄くなる、またはハゲてしまう(特にお腹や内股、背中など)
  • 皮膚が赤くなったり、ただれたり、かさぶたができたりする
  • 舐めすぎて皮膚が硬くなっている
  • 毛球症(毛を飲み込みすぎて消化管内に毛玉がたまる病気)になりやすくなる

考えられる原因としては、以下のようなものがあります。

原因のカテゴリー具体的な原因飼い主さんができること・注意点
皮膚のトラブルノミ・ダニなどの外部寄生虫、アトピー性皮膚炎、食物アレルギー、真菌(カビ)感染症などによるかゆみや不快感皮膚に赤みや湿疹、フケなどがないか確認しましょう。定期的なノミ・ダニ予防も大切です。アレルギーが疑われる場合は、獣医師さんと相談して食事療法などを検討します。
痛みや不快感関節炎や怪我など、体のどこかに痛みや違和感があり、その部分を気にして舐めている特定の場所を触ると嫌がる、動きがぎこちないなどの変化がないか観察しましょう。痛みのサインは分かりにくいこともあるので、気になる場合は獣医師さんに相談を。
ストレスや不安引っ越し、新しいペットや家族の増加、飼い主さんの生活パターンの変化、騒音、留守番の時間が長いなど、精神的なストレス愛猫ちゃんが安心できる環境づくりを心がけましょう。隠れられる場所を用意したり、遊びの時間を増やしたり、フェロモン製剤などを使用してみるのも一つの方法です。原因が特定できない場合は、行動診療に詳しい獣医師さんに相談するのも良いでしょう。

過度な毛づくろいや脱毛は、猫ちゃんが何らかの不快感やストレスを抱えているサインです。原因を特定し、適切に対処してあげることが、愛猫ちゃんの心と体の健康を守るためにとても重要になります。

トイレ以外での粗相

愛猫ちゃんがトイレ以外の場所でオシッコやウンチをしてしまう「粗相」は、飼い主さんにとって悩ましい問題ですよね。しかし、単なる「いたずら」や「わざと」ではなく、何らかの理由があってのことがほとんどです。病気やストレスのサインである可能性も考えられます。

粗相の原因は、大きく分けて「環境要因」と「猫自身の要因(身体的・精神的)」があります。

環境要因による粗相

  • トイレが汚れている:猫はとてもきれい好きです。トイレが汚れていると使うのを嫌がることがあります。
  • トイレの砂が気に入らない:砂の種類(鉱物系、紙系、木系など)や粒の大きさ、香りが好みでない場合があります。
  • トイレの場所が気に入らない:人通りが多い、騒がしい、他の猫に邪魔されるなど、落ち着いて排泄できない場所にトイレがあると嫌がることがあります。
  • トイレの数が足りない:多頭飼いの場合、猫の数+1個のトイレが理想とされています。
  • トイレの形状や大きさが合わない:体が大きくなったのにトイレが小さい、屋根付きトイレの圧迫感が嫌、など。

これらの場合は、トイレをこまめに掃除する、砂の種類を変えてみる、トイレの場所や数を増やすなどの環境改善で解決することがあります。

猫自身の要因による粗相

環境を整えても粗相が続く場合は、猫ちゃん自身の問題が考えられます。

要因具体的な病気や状態見られるかもしれない他のサイン
泌尿器系の病気膀胱炎、尿石症(ストラバイト結石、シュウ酸カルシウム結石など)、腎臓病、尿道閉塞(特にオス猫に注意)頻繁にトイレに行くが少ししか出ない、排尿時に痛そうに鳴く、血尿、落ち着きがない、陰部をしきりに舐めるなど。尿道閉塞は命に関わる緊急事態です。
消化器系の病気便秘、下痢、腸炎など(ウンチの粗相の場合)排便時にいきむ、ウンチが硬すぎるまたは緩すぎる、食欲不振、嘔吐など。
加齢によるもの関節炎による痛みでトイレの段差が辛い、認知症によるトイレの場所の認識低下、足腰の筋力低下動きがぎこちない、トイレの縁をまたぎにくそうにする、ぼーっとしていることが増えたなど。
ストレスや不安環境の変化(引っ越し、新しいペットなど)、飼い主さんとのコミュニケーション不足、縄張り意識(マーキング行動、スプレー行動)他のストレスサイン(過剰グルーミング、隠れるなど)が見られることもあります。マーキングは壁や家具に少量の尿をかける行動で、未去勢・未避妊の猫に多いですが、ストレスでも見られます。

特に泌尿器系の病気は、猫にとって非常につらいもので、治療が遅れると命に関わることもあります。粗相が続く、または上記のような他のサインが見られる場合は、すぐに動物病院を受診してください。その際、いつから粗相が始まったか、頻度、場所、尿や便の状態などを伝えられると良いでしょう。

隠れて出てこない しぐさ

猫ちゃんが物陰や狭い場所に隠れるのは、本来持っている習性の一つで、安心できるパーソナルスペースを確保するためでもあります。しかし、普段は出てくるのに長時間隠れたまま出てこない、呼んでも反応がない、怯えている様子が見られるといった場合は、注意が必要です。それは体調不良や強いストレス、恐怖を感じているサインかもしれません。

隠れて出てこないときに考えられる主な理由には、以下のようなものがあります。

  • 体調が悪い・ケガをしている

    猫は本能的に、自分が弱っている姿を外敵に見せないようにするため、安全な場所に隠れてじっとすることがあります。痛みや不快感で動きたくない、あるいは動けない状態なのかもしれません。食欲不振や元気消失、嘔吐、下痢など他の症状がないかも確認しましょう。
  • 強いストレスや恐怖を感じている

    大きな音(雷、工事の音、花火など)、見慣れない人や動物の来訪、他のペットとのケンカ、環境の急激な変化(引っ越し、模様替え)などが原因で、強い恐怖や不安を感じ、パニックに近い状態になっている可能性があります。無理に引きずり出そうとすると、さらに恐怖心を煽ってしまうこともあります。
  • 新しい環境に慣れていない

    新しくお迎えしたばかりの猫ちゃんや、引っ越ししたばかりの時は、新しい環境に警戒して隠れてしまうことがよくあります。安心できるまでそっとしておいてあげることが大切です。
  • 出産が近い(メス猫の場合)

    妊娠中のメス猫は、出産が近づくと安全で静かな場所を探して巣作りを始め、そこに隠れることがあります。


愛猫ちゃんが隠れて出てこないときは、まず無理強いせず、静かに様子を見守りましょう。隠れている場所の近くに、新鮮な水と少量のフードを置いておくのも良いでしょう。もし、明らかに怯えている様子であれば、原因を取り除けるなら取り除き、安心できるような静かな環境を整えてあげてください。

ただし、24時間以上隠れたままで飲食もせず、ぐったりしている、呼吸が荒い、触ると異常に嫌がるなどの場合は、深刻な病気やケガの可能性があります。このような場合は、すぐに動物病院に連絡し、指示を仰ぎましょう。移動させる際は、猫ちゃんを刺激しないよう、キャリーケースごと毛布で覆うなどして、静かに連れて行くようにしてくださいね。

愛猫ちゃんの「いつもと違う」は、大切な健康のサインです。日頃から愛猫ちゃんの様子をよく観察し、小さな変化にも気づいてあげられるように心がけることが、病気の早期発見やストレスの軽減につながります。何か気になることがあれば、遠慮なく獣医師さんに相談しましょう。

愛猫との絆を深めるコミュニケーションとしぐさの理解

愛猫のしぐさの意味がわかってくると、もっともっと仲良くなりたいって思いますよね。ここでは、愛猫との絆をグッと深めるためのコミュニケーションのコツや、しぐさから気持ちを読み取ってどう応えたらいいのか、具体的なヒントをお伝えします。愛猫がご機嫌さんでいられる時間が増えること間違いなしですよ!

愛猫の気持ちに寄り添う接し方

猫ちゃんは、自分の気持ちをわかってくれる人が大好きなんです。だから、愛猫の気持ちに寄り添った接し方を心がけるのが、信頼関係を築く第一歩なんですよ。無理強いしたり、猫ちゃんのペースを無視したりするのは避けてあげてくださいね。

例えば、猫ちゃんがひとりで静かにしていたい時に、しつこく構ってしまうとストレスになっちゃうことがあります。逆に、甘えたいサインを出しているのに気づかないふりをすると、寂しい気持ちにさせちゃうかもしれません。日頃から愛猫の様子をよーく観察して、「今はどうしてほしいのかな?」って考えることがとっても大切なんです。優しく名前を呼んであげたり、猫ちゃんが安心できるお気に入りの毛布やベッドを用意してあげたりするのも、猫ちゃんがリラックスできる環境作りに繋がりますよ。

また、猫ちゃんが何かを訴えているようなしぐさを見せたら、まずは優しく声をかけて、何をしてほしいのか探ってみましょう。もしかしたら、お水が飲みたかったり、トイレが汚れていたりするのかもしれません。そんな小さな気づきと対応が、愛猫からの信頼を深めていくんです。

しぐさからわかる猫の気持ちに応えるヒント

愛猫が見せるいろいろなしぐさには、ちゃーんと意味があるんです。そのサインに気づいて、適切に応えてあげることが、愛猫との信頼関係をより一層深めるカギになります。ここでは、代表的ないくつかのしぐさと、それに対してどんな風に応えたら猫ちゃんが喜んでくれるか、具体的なヒントをまとめてみました。

猫のしぐさ猫の気持ち飼い主さんの対応例
ゴロゴロ喉を鳴らしながらすり寄ってくる甘えたい、安心している、何か要求がある(ごはん、遊んでほしいなど)優しく撫でてあげたり、何をしてほしいのか様子を見ながら応えてあげましょう。ごはんの時間ならごはんを、遊びたそうならお気に入りのおもちゃで少し遊んであげるといいですね。
ゆっくりまばたきをする大好きだよ、信頼しているよ、リラックスしている、敵意がないよ同じようにゆっくりまばたきを返してあげましょう。「私も大好きだよ」「安心していいよ」という気持ちが伝わります。猫ちゃんにとって、これは親愛の証なんです。
耳を横に寝かせる「イカ耳」不快、イライラ、ちょっと怖い、警戒している何が原因で不快に感じているのか探って、可能ならその原因を取り除いてあげましょう。大きな音や見慣れないものに反応しているのかもしれません。無理に構わず、そっとしておくのが基本です。
尻尾を左右に大きくパタパタ振るイライラしている、不満がある、集中している(狩りの前など)邪魔をしないでそっと見守るか、イライラの原因が分かれば取り除いてあげましょう。もし遊びに誘うなら、猫ちゃんの反応を見ながら慎重に。無理強いは禁物です。
お腹を見せる(ヘソ天)最大限に信頼している、リラックスしている、服従のポーズ「信頼してくれてありがとう」という気持ちで、優しく声をかけたり、そっと撫でてあげましょう。ただし、お腹は猫にとって急所なので、触られるのを嫌がる子もいます。様子を見ながら、嫌がらない範囲で触れてあげてくださいね。
前足でふみふみする甘えたい、安心している、子猫気分の名残満足しているサインなので、優しく見守ってあげましょう。柔らかい毛布の上などでしていることが多いですね。そのまま撫でてあげると、さらにゴロゴロと喉を鳴らしてくれるかもしれません。

こんなふうに、愛猫の小さなサインを見逃さずに、気持ちを汲み取ってあげられると、猫ちゃんも「この人はわかってくれる!」って安心して、もっともっと心を開いてくれるようになりますよ。毎日少しずつでも、愛猫の言葉に耳を傾けてみてくださいね。

ポジティブな気持ちを引き出す遊びとしぐさ

猫ちゃんにとって遊びは、ただの暇つぶしじゃなくて、狩りの本能を満たしたり、運動不足を解消したり、ストレスを発散したりするとっても大事な時間なんです。上手に遊んであげることで、猫ちゃんは心も体も満たされて、ご機嫌さんでいてくれます。そして、そんな時にはとっても可愛いしぐさもいっぱい見せてくれるんですよ。

猫ちゃんが喜ぶ遊びの代表といえば、やっぱり猫じゃらしを使った遊びですよね。鳥の羽がついたものや、カシャカシャ音がするもの、キラキラ光るものなど、いろいろな種類があるので、愛猫のお気に入りを見つけてあげてください。猫じゃらしを獲物のように動かして、隠したり、急に現れさせたりすると、猫ちゃんの狩猟本能が刺激されます。レーザーポインターも人気ですが、光は捕まえられないので、最後は必ずおもちゃなどで「捕まえさせて」満足させてあげることがポイントです。他にも、軽いボールを転がしてあげたり、蹴りぐるみを与えてあげたりするのもいいですね。最近では、おやつが出てくる知育トイもあって、頭を使いながら遊べるのでおすすめです。

遊びを通して猫ちゃんがポジティブな気持ちになると、次のようなしぐさが見られることが多いです。

  • 目をキラキラ輝かせておもちゃを追いかける
  • 遊びながら嬉しそうにゴロゴロと喉を鳴らす
  • 満足して飼い主さんの側で前足をふみふみする
  • 遊び終わった後、飼い主さんにすり寄ってきて甘える
  • リラックスして満足そうに毛づくろいを始める
  • おもちゃを咥えて「見て見て!」と持ってくる

遊ぶ時は、猫ちゃんの集中力が続く短い時間(1回10分~15分程度)で、1日に何度かに分けて遊んであげるのがコツです。長時間だらだらと遊ぶよりも、短時間で集中して遊ぶ方が猫ちゃんも楽しめます。そして、遊びの最後には必ずおもちゃを「捕獲」させて、達成感を味わわせてあげてくださいね。そうすることで、猫ちゃんは「楽しかったー!」って大満足してくれるはず。安全に遊べるように、誤飲の危険がある小さなおもちゃや壊れやすいものは避け、遊び終わったら片付けるようにしましょう。愛猫との遊びの時間を大切にして、毎日をハッピーに過ごせるようにサポートしてあげてくださいね!

まとめ

愛猫が見せるいろんなしぐさ、実はたくさんの気持ちが詰まっているんですよね。この記事では、尻尾の動きから耳の角度、目の輝き、鳴き声のトーン、さらにはヒゲの向きや体全体の動きまで、愛猫が体を使って私たちに伝えようとしているサインを詳しく見てきました。「尻尾をピンと立ててご機嫌!」とか、「ゆっくりまばたきは大好きのしるし!」なんて、知っていると愛猫の気持ちがもっと身近に感じられるようになりますよね。この記事を読んでくださった皆さんも、きっと「なるほど!」と思うポイントがたくさんあったんじゃないでしょうか。

甘えたい時やリラックスしている時の可愛いしぐさもあれば、ちょっぴり不機嫌だったり、何かに警戒していたりする時のサインも見逃せません。特に、いつもと違う鳴き声や行動、食欲がない、なんていうのは、もしかしたら体調が良くないとか、何かストレスを感じている大切なサインかもしれません。そういった変化にいち早く気づいてあげることが、愛猫の心と体の健康を守る第一歩になるんです。

愛猫のしぐさ一つひとつに込められた気持ちを理解しようとすることは、愛猫との絆をぐーっと深めてくれる、とっても素敵なコミュニケーションなんです。どうすれば喜んでくれるかな、どうしたら安心させてあげられるかな、そんな風に愛猫の気持ちに寄り添うことで、毎日がもっともっと楽しく、温かいものになるはずです。この記事が、皆さんと大切な愛猫との生活を、より豊かなものにするためのお手伝いになれば、本当にうれしいです。ぜひ今日から、愛猫の小さなサインにもっと注目して、たくさんの「大好き」を伝え合ってくださいね!

猫が2匹ソファで横になっている

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